考えたこともないでしょうし
世界に何十億と存在していますが
この小さな円盤ひとつに
注ぎ込まれた―
デザインと情熱と創造性には
実に驚かされます
[小さなことの
大きなアイデア]
[小さなことの
大きなアイデア]
コーヒーカップの蓋
おなじみの紙コップの蓋のことです
パチッとはめられ
飲み口があり
開閉式の小さな止め具があります
とてもクリエイティブな形を
しているんです
紙コップの蓋を語るときは
独自の用語が使われます
「周縁スカート」とか
「押し込みディンプル」とか
「香りの出口」とか
「液漏れ因子」とかね
こんな語彙が必要なのは
この蓋には多くの考えや
画期的な着想が
込められているからです
社会は 移動するものへと
どんどん変化しています
万物がせわしなく動き回ります
長所は便利なことです
コーヒーはどこで飲んでもよく
ダイナーで座って飲む必要はありません
地下鉄の中や
歩きながらでも飲めます
短所としては
歩きながらだと
コーヒーを味わうのは
難しくなることです
紙コップの蓋が
初めて特許を取ったのは
1934年のことですが
冷たい飲料用でした
1950年に
ジェームズ・ラフスナイダーが
初めてスナップ式の蓋を
発明しました
しかし 飲み口は
ありませんでした
60年代に入って
文化に大きな変化があり
人々が移動中に
コーヒーを飲み始めました
初の持ち帰りコーヒーを
販売したのはセブンイレブンでした
それから1967年に
革命が起こります
アラン・フランクという人物が
飲み口のタブを
開けられる蓋を発明しました
ギターのピックのような形で
そこから飲むんです
1975年に さらに別の
大きな進歩がありました
タブを開けた後に
蓋に固定できるというものです
それで もっと多くの人々が
移動中にコーヒーを飲むようになりました
1984年に 紙コップの蓋の歴史に
重大な転機が訪れます
トラベラー・リッドの誕生です
非常に特徴的で
何度も見たことがあるでしょう
これはたくさんの問題を
解決してくれました
飲むときに顔にかからないように
設計されています
他の蓋よりも
高さがあるからです
へりが出っ張っているので
唇に到達するまでに
コーヒーを少し冷ましてくれます
中央に 鼻に合わせた
くぼみがあるので
香りを最大限に
楽しむことができます
小さな空気孔から
蒸気を逃がして
真空状態にならないようにします
コーヒーを膝に
こぼしでもしない限り
気に留めることも
ないものです
コーヒーの紙コップの蓋は
進化を続けるでしょう
使い捨てプラスチックの蓋を
見ることは少なくなって
もっと持続可能なものに
代わるでしょう
人は移動をやめないでしょうし
コーヒーも飲み続けるでしょう
コーヒーの紙コップの蓋の
エンジニアたちの目標は おそらく
移動中にコーヒーを飲むコーヒーを
レストランで腰をおろして
陶器のカップから飲むのと同じくらい
良い経験にすることだと思います
だって コーヒーは
とっても重要ですからね