話すことはいっぱいあるけど、 とりあえず演奏で始めます。 (音楽) ♫朝♫ ♫起きると♫ ♫コーヒー入れて♫ ♫新聞読んで♫ ♫そしてゆっくりと♫ ♫そしてそっと♫ ♫お皿を洗い♫ ♫魚の餌やり♫ ♫僕にハッピー・バースデーを歌う君♫ ♫この日が♫ ♫最後かのように♫ ♫この地球で♫ (拍手) はい。 今日はちょっと特別なことをしたいんだ。 取り掛かってから五、六ヶ月くらい経つ 新曲の発表だよ。 お客さんの前で 初めて曲を披露することほど ドキドキすることはないね。 特に仕上がってない曲ほど。 (笑) こうしてここでお話させてもらうことで 曲の完成に繋がればいいなと思って。 とんでもない分野に 入っていくから。 簡単に言うとこの曲は ループの話、 僕がここで創るようなループじゃなくて フィードバックのループ。 音響の世界では マイクが音源に 近づきすぎた時に、 自己破壊的なループに陥って かなり不快な音が出る時のこと。 今やってあげるよ。 (笑) 痛くないから。心配しないで。 ♫これはループ、フィードバックループ♫ ♫これはループ、フィードバックループ♫ ♫これはループ、フィードバックループ♫ ♫これはループ、フィードバックループ♫ ♫これはループ、フィードバックループ♫ ♫これはループ、フィードバックループ♫ ♫これは―(フィードバック) はい。今の行動に意味があったのかは不明だけど・・・ (笑) ・・・とにかく僕が言いたいのは、自己破壊の音だってこと。 そして、僕が考えてるのは これがありとあらゆる分野に通じるってこと、 例えば、生態学、はい。 自然には法則があるみたいなんだよ 自分の元に近づきすぎると、 醜いことになる。 牛に牛の脳を餌として与えてはいけない、 さもないと狂牛病になってしまう、 近親交配とか近親相姦 それとか、 もうひとつなんだったっけ? 生物学の―自己免疫疾患、 体が自分自身を攻撃する状態 ちょっと熱心になりすぎてしまって 宿主や本人を、 破壊してしまう。 それに―うん、ここで曲に繋がってくるんだよ― 感情的な部分に繋がる 科学的な言葉を使ったけど 曲の中では、 詠わせるのが難しい。 ただ単に 曲には要らないものもあるから。 だからそこを繋げようとしてるんだ このアイディアとメロディの間を。 こんなこと、僕だけかもしれないんだけど、 寝ようとして 目を閉じたときに、 自分の目玉のことばっかり考えてしまうんだ。 目が目そのものを見ようと 目を凝らし始めるみたいに。 そんな気がするんだ。 気持ちのいいものではないよ。 気にならさせてしまったらごめんなさい。 (笑) もちろん、目が目を見ることは、不可能だよ、 でも見ようとしてる感じがするんだ。 これでもうちょっと個人的な体験に近づいてきたでしょ。 それとか耳が耳自身を聞こうとすること― ただそれは不可能。 そうなんだよ。 だからそんなことを伝える曲を 作ってきたんだ そしてさらにこの曲は 自分を傷つくことから守ることが 上手になりすぎて逆に自分を傷つけてしまう という架空の人の話をする、 そんなことが可能であれば。 それがこの曲に考えさせられることなんだ。 はい。 題名はまだないんだ。 (音楽) ♫自分にお祝いの握手をしてみなよ♫ ♫自分に手を出して、自分の手で♫ ♫自分を見つめる目も自分の目♫ ♫そして耳を聴く耳のそばに♫ ♫だって自分の耳だから、oh oh♫ ♫今不可能を可能にした君♫ ♫自分をほどいた君♫ ♫これで完全無敵だ♫ ♫だれも傷つけることができない心♫ ♫だからむき出しに♫ ♫そして絞り出し♫ ♫そしてむき出しに♫ ♫自分で壊す♫ ♫自分のを壊し、自分で壊す♫ ♫自分のを壊し、自分で壊す♫ ♫自分のを壊す♫ (拍手) ありがとう。 (拍手) はい。 いいもんだよ。作詞作曲者ってある種殺人からも逃げられる。 めちゃくちゃな理論でも データで証明しなくてもいい グラフもリサーチもなし。 でも無謀な好奇心こそ 今の世の中に必要なんじゃないかな、 ちょっとぐらいはね。 (拍手) 締めくくりに僕の曲を披露させてもらいます 「天気体系」 (音楽) ♫静かに♫ ♫静かにしてよ、と言った彼女♫ ♫彼の頭の後ろから声かける♫ ♫ベッドの端で、血の流れまで見える♫ ♫見える♫ ♫細胞の育ちが♫ ♫しばらくそのままで♫ ♫ワインを零さないで♫ ♫全部ここから見える♫ ♫見える♫ ♫oh♫ ♫見える♫ ♫天気体系♫ ♫世界の♫ ♫天気体系♫ ♫世界の♫ ♫話す言葉のいくらかは♫ ♫売り物じゃない♫ ♫私だったら留めておく♫ ♫ある物質のフリーエージェントが♫ ♫怖がってる場所に♫ ♫しばらくそのままで♫ ♫ワインを零さないで♫ ♫全部ここから見える♫ ♫見える♫ ♫oh♫ ♫見える♫ ♫この世界の天気体系♫ ♫天気体系♫ ♫この世界の♫ ありがとう。 (拍手)