WEBVTT 00:00:01.111 --> 00:00:03.189 デネ族の長老ポール・ディセインは 00:00:03.189 --> 00:00:06.975 「私たちの言語と文化は 世界を知る窓である」と言っています 00:00:07.023 --> 00:00:08.174 「タートル・アイランド」― 00:00:08.198 --> 00:00:10.433 今では「北アメリカ」として 知られていますが― 00:00:10.457 --> 00:00:14.220 そこには 世界を知るユニークで 素晴らしい方法が沢山あります NOTE Paragraph 00:00:14.244 --> 00:00:16.172 私は先住民の血を引く一人として 00:00:16.196 --> 00:00:18.283 アニシナーベ語に興味があります 00:00:18.307 --> 00:00:19.768 私の継承語です 00:00:19.792 --> 00:00:22.387 継承語や文化という窓を通して 世界を見せてくれるからです 00:00:22.411 --> 00:00:24.037 私を家族と 00:00:24.061 --> 00:00:25.942 先祖 地域社会や文化に 繋げてくれます 00:00:25.966 --> 00:00:30.843 さらに どのように 次世代へ繋げるかだと思います NOTE Paragraph 00:00:30.903 --> 00:00:32.054 言語学者として 00:00:32.078 --> 00:00:35.213 言語が一般的にどう機能するのか 興味があります 00:00:35.237 --> 00:00:37.142 私が研究しているのは音声学や音韻論 00:00:37.166 --> 00:00:38.355 すなわち発音です 00:00:38.379 --> 00:00:41.141 形態論 つまり言葉の構造も 研究しています 00:00:41.165 --> 00:00:42.333 統語論も研究しています 00:00:42.357 --> 00:00:44.816 文章や句の構造のことです 00:00:44.840 --> 00:00:48.308 人類がどのように言語を脳に保存し 00:00:48.332 --> 00:00:51.047 他者と対話するために 使うのか知るためです NOTE Paragraph 00:00:52.204 --> 00:00:54.093 例えば 00:00:54.117 --> 00:00:57.132 アニシナーベ語は 大半の先住民族の言語と同様 00:00:57.156 --> 00:00:59.005 複統合的言語と呼ばれるもので 00:00:59.029 --> 00:01:02.206 非常に長い単語が 00:01:02.230 --> 00:01:05.234 形態素という小さいかけらで成立します 00:01:05.258 --> 00:01:09.651 アニシナーベ語で“niwiisin”は 英語で“I eat” 00:01:09.675 --> 00:01:10.903 1語です 00:01:10.927 --> 00:01:14.710 “nimino-wiisin”は英語で“I eat well” 00:01:14.734 --> 00:01:15.918 これもやはり1語です 00:01:15.942 --> 00:01:21.152 “nimino-naawakwe-wiisin” は 英語では“I eat a good lunch” 00:01:21.176 --> 00:01:23.510 英語だと単語はいくつありますか? 00:01:24.109 --> 00:01:27.671 英語では5語 アニシナーベ語だと1語です NOTE Paragraph 00:01:28.583 --> 00:01:30.662 さて ここでクイズです 00:01:30.686 --> 00:01:33.717 1語で答えて下さい あのスライドの色は何ですか? NOTE Paragraph 00:01:34.083 --> 00:01:35.321 観客:緑 NOTE Paragraph 00:01:35.345 --> 00:01:37.165 リンジー・モーコム: あのスライドの色は? NOTE Paragraph 00:01:37.189 --> 00:01:38.263 観客: 緑 NOTE Paragraph 00:01:38.277 --> 00:01:39.802 リンジー:あのスライドの色は? NOTE Paragraph 00:01:39.836 --> 00:01:41.172 観客:青 NOTE Paragraph 00:01:41.196 --> 00:01:42.895 リンジー:では あのスライドの色は? NOTE Paragraph 00:01:42.919 --> 00:01:44.117 (観客のざわめき) 00:01:44.141 --> 00:01:46.557 ひっかけ問題ではありません お約束しましょう 00:01:47.209 --> 00:01:48.429 英語話者として皆さんは 00:01:48.453 --> 00:01:50.812 緑のスライドを2枚 青のスライドを2枚見ました 00:01:50.836 --> 00:01:54.479 言語によって色を 分類する方法は様々で 00:01:54.503 --> 00:01:56.265 もし あなたが ロシア語話者だとしたら 00:01:56.289 --> 00:01:59.504 ご覧になったのは 色調の異なる緑のスライドを2枚と 00:01:59.528 --> 00:02:01.593 “goluboy” という明るい青色を1枚 00:02:01.617 --> 00:02:03.369 "siniy" という濃い青色を1枚です 00:02:03.393 --> 00:02:05.282 異なる色として認識されています 00:02:05.306 --> 00:02:07.330 もしあなたが アニシナーベ語話者だとすれば 00:02:07.354 --> 00:02:09.731 スライドの色はどれも “Ozhaawashkwaa” 00:02:09.755 --> 00:02:13.636 または“Ozhaawashkozi”と捉えるでしょう 緑色または青色という意味です 00:02:13.660 --> 00:02:16.255 話者が色を認識しないわけではなく 00:02:16.279 --> 00:02:21.307 色を分類し 色調を認識する方法が 異なるのです 00:02:21.331 --> 00:02:22.497 同時に 00:02:22.521 --> 00:02:26.117 人間による色の分類には 普遍的な方法があり 00:02:26.141 --> 00:02:28.073 どのように人間の脳が 00:02:28.097 --> 00:02:31.030 見ているものを理解し 表現するのか示しています NOTE Paragraph 00:02:32.351 --> 00:02:34.585 アニシナーベ語は 他にも素晴らしい点があって 00:02:34.609 --> 00:02:38.045 全ての単語が 有生か無生かに分類されています 00:02:38.069 --> 00:02:40.307 つまりフランス語や スペイン語が 00:02:40.331 --> 00:02:43.006 全ての単語を男性形か女性形に 分類するのに似ています 00:02:43.030 --> 00:02:45.458 アニシナーベ語と アルゴンキン語派の言語では 00:02:45.482 --> 00:02:48.664 全ての単語を 有生か無生に分類します 00:02:48.688 --> 00:02:51.426 皆さんが 生きていると思うものが 有生です 00:02:51.450 --> 00:02:55.204 人間や動物 成長している植物といった 脈があるものです 00:02:55.228 --> 00:02:58.148 ただ 有生と分類されても 生きていなさそうなものもあります 00:02:58.198 --> 00:02:59.545 例えば岩などです 00:02:59.569 --> 00:03:00.934 岩は有生に分類されており 00:03:00.958 --> 00:03:03.705 これは 文法について とても興味深いことを示しています 00:03:03.729 --> 00:03:05.423 さらに 興味深いことに 00:03:05.447 --> 00:03:07.680 どのようにアニシナーベ語話者が 00:03:07.704 --> 00:03:10.417 彼らを取り巻く世界と関わり 理解するかも示しているのです NOTE Paragraph 00:03:10.441 --> 00:03:12.429 さて悲しい点としては 00:03:12.453 --> 00:03:15.601 先住民族の言語が 危機に直面していることです 00:03:16.188 --> 00:03:19.600 先住民族の言語には文化 00:03:19.624 --> 00:03:20.776 歴史 00:03:20.800 --> 00:03:22.784 お互いや環境との関わり方について 00:03:22.808 --> 00:03:24.894 膨大な知識が込められています 00:03:24.918 --> 00:03:27.116 遥か昔からこの地で 00:03:27.140 --> 00:03:29.117 これらの言語が発展し 00:03:29.141 --> 00:03:32.815 環境についての非常に貴重な知識を 内包するようになったおかげで 00:03:32.839 --> 00:03:36.064 私たちは自らが暮らす土地と うまく付き合っていけるのです 00:03:37.022 --> 00:03:39.751 しかし実際は危機に直面しています 00:03:39.775 --> 00:03:42.831 北アメリカの 先住民族の言語のほとんどは 00:03:42.855 --> 00:03:44.387 絶滅の危機にあるとみなされ NOTE Paragraph 00:03:44.411 --> 00:03:47.339 危機的状況にない言語も脆弱です 00:03:48.038 --> 00:03:49.402 これは故意によるものです 00:03:50.506 --> 00:03:52.984 私たちの法律や政策で NOTE Paragraph 00:03:53.008 --> 00:03:55.291 総督公邸の中で 00:03:55.315 --> 00:03:58.117 先住民族の言語と文化を 00:03:58.141 --> 00:04:01.711 この国から廃絶しようとする 試みが述べられてきました 00:04:02.046 --> 00:04:03.474 ダンカン・キャンベル・スコットは 00:04:03.498 --> 00:04:06.830 寄宿学校制度の立案者の一人です 00:04:06.854 --> 00:04:11.267 1920年に 先住民族の子供を対象とした 00:04:11.291 --> 00:04:14.395 寄宿学校入学の義務化を求める 議案を提出し こう語りました 00:04:14.419 --> 00:04:16.482 「インディアンの問題を取り除きたい 00:04:16.506 --> 00:04:18.137 我々の目標は カナダにおいて 00:04:18.161 --> 00:04:20.686 国民に同化していないインディアンが 00:04:20.710 --> 00:04:23.491 一人もいなくなるまで続けることであり 00:04:23.515 --> 00:04:26.840 インディアンに関する課題や 政府機関が存在しなくなることが 00:04:26.864 --> 00:04:29.526 この法案全体の目標です」 NOTE Paragraph 00:04:30.608 --> 00:04:34.048 寄宿学校で起こった 残虐行為は記録されていました 00:04:34.072 --> 00:04:35.271 1907年 00:04:35.295 --> 00:04:39.517 結核専門医であるP.H.ブライスは 00:04:39.541 --> 00:04:42.080 報告書を発表しました 00:04:42.104 --> 00:04:46.130 いくつかの学校で25%の子供が 学校環境に起因する結核の蔓延で 00:04:46.154 --> 00:04:48.917 亡くなっているという内容でした 00:04:48.941 --> 00:04:53.020 他の学校では最大75%の子供が 亡くなりました 00:04:54.243 --> 00:04:57.838 彼は調査結果により 連邦政府の 資金援助を打ち切られ 00:04:57.862 --> 00:04:59.893 1921年に退職に追い込まれましたが 00:04:59.917 --> 00:05:02.958 1922年 彼は調査結果を 広く公表しました NOTE Paragraph 00:05:05.127 --> 00:05:06.278 同時期に 00:05:06.302 --> 00:05:08.987 先住民の子供は 自宅や 00:05:09.011 --> 00:05:10.500 地域から連れ去られ 00:05:10.524 --> 00:05:12.707 教会運営の寄宿学校へ 強制入学させられました 00:05:12.731 --> 00:05:15.434 多くの子供たちは 00:05:15.458 --> 00:05:18.699 深刻な情緒的 身体的 性的虐待に苦しみ 00:05:18.723 --> 00:05:20.725 全員が文化を否定され むごい扱いを受けました 00:05:20.739 --> 00:05:24.609 先住民族の言語と文化の排除を 目的とした学校だったからです 00:05:24.633 --> 00:05:28.743 最後の寄宿学校は 1996年に閉校しました 00:05:29.759 --> 00:05:34.934 それまでに 15万人以上の子供達たちが 00:05:34.958 --> 00:05:37.886 全国に139校あった 寄宿学校に通いました NOTE Paragraph 00:05:38.712 --> 00:05:40.260 2007年 00:05:40.284 --> 00:05:43.825 「インディアン寄宿学校和解協定」が 発効しました 00:05:43.849 --> 00:05:46.934 これはカナダ史上 最大規模の集団訴訟でした 00:05:47.323 --> 00:05:49.506 割り当てられた 6000万カナダドルは 00:05:49.530 --> 00:05:53.460 カナダ真実和解委員会(TRC)の 設立に向けたものでした 00:05:54.339 --> 00:05:58.998 TRCのおかげで 生存者の話を聞けるようになり 00:05:59.022 --> 00:06:01.776 地域や家族への影響を聞いたり 00:06:01.800 --> 00:06:04.490 研究もできるようになりました 00:06:04.514 --> 00:06:08.156 寄宿学校が及ぼす― 00:06:08.180 --> 00:06:12.133 先住民のコミュニティや カナダ全体への影響についての研究です 00:06:12.475 --> 00:06:14.967 TRCは寄宿学校が 00:06:14.991 --> 00:06:17.522 文化的大虐殺に相当することを 突き止めました 00:06:17.546 --> 00:06:21.987 「肉体的大虐殺とは 特定の集団構成員の大量殺害であり 00:06:22.011 --> 00:06:26.458 生物学的大虐殺とは 生殖能力を破壊することです 00:06:26.482 --> 00:06:30.864 そして 文化的大虐殺とは 集団が集団として存続するための 00:06:30.888 --> 00:06:33.649 構造や慣習を破壊することです」 00:06:33.673 --> 00:06:36.474 これは スコットが表明した目標です 00:06:36.800 --> 00:06:38.926 それが文化的大虐殺だと TRCは突き止めたのです 00:06:38.950 --> 00:06:40.809 もっとも児童文学作家であり 00:06:40.833 --> 00:06:45.291 優れた演説者のデイビッド・ブシャールは こう指摘しています 00:06:45.315 --> 00:06:46.926 学校を建てるとき 00:06:46.950 --> 00:06:50.228 墓地を隣に建てるとしたら 00:06:50.252 --> 00:06:54.531 それは子供たちが亡くなることを 知っているからだと 00:06:54.555 --> 00:06:56.021 これを何と呼べばいいのでしょう? NOTE Paragraph 00:06:58.371 --> 00:07:02.445 またTRCは「94の実施要請」を 私たちに授けてくれました 00:07:02.469 --> 00:07:05.874 和解を目指す取り組みの 指針となるものです 00:07:06.295 --> 00:07:10.707 要請のうちいくつかは 直接 言語と文化に関連しています 00:07:11.387 --> 00:07:14.525 TRCは適切で 財政的にも支援された 教育の確保を命じており 00:07:14.549 --> 00:07:16.426 言語と文化も 対象に含まれています 00:07:16.450 --> 00:07:19.561 言語権を含む 先住民としての権利を認めること 00:07:19.585 --> 00:07:21.601 「先住民族諸語法」を新たに作り 00:07:21.625 --> 00:07:24.625 先住民族の言語の 承認と保存活動を目指すこと― 00:07:24.649 --> 00:07:26.577 それには財政支援も含みます 00:07:26.601 --> 00:07:29.783 先住民諸語法委員の役職を創設し 00:07:29.807 --> 00:07:32.879 中等教育終了後の言語教育の プログラムを開発し 00:07:32.903 --> 00:07:37.909 植民地時代に変えられた地名を 取り戻すこと NOTE Paragraph 00:07:39.192 --> 00:07:43.724 「インディアン寄宿学校和解協定」の 発効と同時期に 00:07:43.748 --> 00:07:45.296 国連は 00:07:45.296 --> 00:07:48.554 「先住民族の権利に関する国際連合宣言」を 00:07:48.578 --> 00:07:49.728 2007年に採択しました 00:07:50.387 --> 00:07:56.799 これは先住民が 独自の教育制度と 教育機関を設立して運営し 00:07:56.823 --> 00:07:59.386 自分たちの言語で 00:07:59.410 --> 00:08:01.728 文化的に適切な教授・学習方法で 00:08:01.752 --> 00:08:03.418 教育を提供できる権利です 00:08:04.101 --> 00:08:05.252 2007年 00:08:05.276 --> 00:08:06.496 宣言の実施にあたり 00:08:06.530 --> 00:08:07.903 4ヵ国が反対票を投じました 00:08:07.927 --> 00:08:11.601 米国 ニュージーランド オーストラリア 00:08:11.625 --> 00:08:12.775 カナダです 00:08:13.908 --> 00:08:19.249 「先住民族の権利に関する国際連合宣言」を カナダが採択したのは2010年でした 00:08:19.273 --> 00:08:22.376 そして2015年には その実施を 政府は約束しています NOTE Paragraph 00:08:23.895 --> 00:08:27.776 ではどのように 私たちは集団として 応えていけばいいのでしょうか? 00:08:29.490 --> 00:08:31.498 現状はこうです 00:08:31.522 --> 00:08:35.252 カナダで話されている 60の先住民族の言語のうち 00:08:35.276 --> 00:08:39.509 6言語以外は全て危機にさらされていると 国連はみなしています 00:08:40.057 --> 00:08:44.834 6言語とはクリー語 アニシナーベ語 00:08:44.858 --> 00:08:47.969 ストーニー語 ミクマク語 00:08:47.993 --> 00:08:49.824 デネ語 イヌクティトゥト語です 00:08:50.374 --> 00:08:52.198 状況は非常に切迫しているかのようです 00:08:52.222 --> 00:08:55.413 しかし 「消滅の危機にある言語の世界地図」という 00:08:55.437 --> 00:08:57.977 ユネスコのウェブサイトにある記事では 00:08:58.001 --> 00:09:01.243 小さい“R”の記号が ある言語の真横に見つかります 00:09:01.267 --> 00:09:02.958 その言語とはミクマク語です 00:09:02.982 --> 00:09:05.776 ミクマク語は著しい復興を遂げています 00:09:05.800 --> 00:09:08.363 自治協定が採択されて 00:09:08.387 --> 00:09:10.752 文化と言語に基づく教育へと 繋がったからです 00:09:10.776 --> 00:09:12.680 現在ミクマク族の子供たちは 00:09:12.704 --> 00:09:15.149 ミクマク語が第一言語となっています 00:09:15.173 --> 00:09:17.029 私たちができることは沢山あります NOTE Paragraph 00:09:17.053 --> 00:09:18.502 ミクマク族の子供たちは 00:09:18.526 --> 00:09:21.490 「Mnidoo Mnising Anishinabek Kinoomaage」 という 00:09:21.514 --> 00:09:23.578 マニトゥーリン島の イマージョン・プログラムで 00:09:23.602 --> 00:09:25.996 アニシナーベ語で学んでいます 00:09:26.020 --> 00:09:28.125 子供たちは幼稚園から始めますが 00:09:28.149 --> 00:09:30.871 アニシナーベ語が ほとんど話せません 00:09:30.895 --> 00:09:33.783 それが3年生や4年生になると 00:09:33.807 --> 00:09:36.910 中級または流暢なレベルに到達します 00:09:36.934 --> 00:09:38.252 同時に 00:09:38.276 --> 00:09:41.299 彼らは極めて高い 自己肯定感を持っています 00:09:41.323 --> 00:09:43.458 アニシナーベ人であることに 誇りを持っていて 00:09:43.482 --> 00:09:45.805 優れた学習スキルを持っています NOTE Paragraph 00:09:47.363 --> 00:09:50.498 そうは言っても 全ての教育が 正規教育である必要はありません 00:09:50.522 --> 00:09:51.672 地元には 00:09:51.696 --> 00:09:54.213 Kingston Indigenous Language Nest (KILN) があります 00:09:54.712 --> 00:09:56.561 現在KILNは組織となっていますが 00:09:56.585 --> 00:10:00.584 はじまりは6年前 熱心な地元メンバーによる 00:10:00.608 --> 00:10:03.108 長老宅の食卓を囲んだ集まりでした 00:10:03.132 --> 00:10:07.528 それ以来 私たちは週末に 多世代に渡る学びを目的とした 00:10:07.552 --> 00:10:09.299 学習の場を作ってきました 00:10:09.323 --> 00:10:12.260 子供たちの世代へ 言語と文化を伝えていくためです 00:10:12.284 --> 00:10:16.116 伝統的なゲームや歌 食べ物や アクティビティを使っています 00:10:16.521 --> 00:10:17.791 授業もあり 00:10:17.815 --> 00:10:21.312 初心者と中級者を対象としています 00:10:21.695 --> 00:10:23.934 教育委員会や 図書館とも提携することで 00:10:23.958 --> 00:10:27.878 正規教育の現場でも 教材と言語を用意しています 00:10:28.807 --> 00:10:30.482 可能性は無限大です 00:10:30.506 --> 00:10:33.363 私は今までの成果に とても感謝しています 00:10:33.387 --> 00:10:36.385 私の息子と地域の子供たちへ 00:10:36.385 --> 00:10:38.801 言語と文化を 受け継ぐことができるからです 00:10:39.045 --> 00:10:42.319 私たちは強くて美しい 活気のある地域も発展させました 00:10:42.343 --> 00:10:44.474 地域で協力して このことを頑張った成果です 00:10:46.022 --> 00:10:48.656 それでは前進するには 何が必要なのでしょうか? 00:10:49.173 --> 00:10:51.331 第一に 政策が必要です 00:10:51.792 --> 00:10:55.371 私たちには財政支援も含めた 政策の制定が必要です 00:10:55.395 --> 00:10:57.755 先住民族の言語が確実に 00:10:57.779 --> 00:11:00.643 教育へ有意義に 取り入れられるようにする政策です 00:11:00.667 --> 00:11:02.731 居留地内外の両方においてです 00:11:02.755 --> 00:11:05.771 居留地では居留地外に比べて 教育に費やされるお金が 00:11:05.795 --> 00:11:07.334 非常に乏しい現状があります 00:11:07.358 --> 00:11:08.680 また居留地外では 00:11:08.704 --> 00:11:11.168 先住民族の言語教育は 軽視されていることがよくあり 00:11:11.192 --> 00:11:12.704 これは人々が 00:11:12.728 --> 00:11:15.205 先住民は公立学校に通っていないと 思い込んでいるからです 00:11:15.229 --> 00:11:18.933 実際には 現在のカナダでは 先住民の7割前後が 00:11:18.957 --> 00:11:20.129 居留地外に住んでいます 00:11:20.153 --> 00:11:24.329 子供たちは自分たちの言語と文化に 触れる権利を平等に持っています 00:11:25.544 --> 00:11:27.884 政策以外のサポートが必要です 00:11:27.908 --> 00:11:30.869 単に資金援助が必要と いうことではありません 00:11:30.893 --> 00:11:33.948 アクティビティーや授業を行える場所 00:11:33.972 --> 00:11:39.130 非先住民族の人たちと 交流する場所も必要です 00:11:39.623 --> 00:11:41.116 私たちにはサポートが必要です 00:11:41.140 --> 00:11:43.853 言語を学びたい人々に対してです 00:11:43.877 --> 00:11:47.404 なぜ言語が重要なのか 話し合えるようなサポートが必要です 00:11:48.004 --> 00:11:50.180 その達成には教育が必要です 00:11:50.204 --> 00:11:53.418 まず イマージョン教育を 利用できるようにすることが必要です 00:11:53.442 --> 00:11:56.410 なぜなら 最も確実で効果的な 00:11:56.434 --> 00:11:58.856 先住民族の言語を 普及させる方法だからです 00:11:58.880 --> 00:12:01.598 しかし 公立の学校でも 教育は必要であり 00:12:01.622 --> 00:12:04.062 非先住民族の人々への教育も必要です 00:12:04.086 --> 00:12:06.554 そうすることで私たちは より相互理解を深められ 00:12:06.578 --> 00:12:08.751 より良い方向へと 共に進んでいけるのです 00:12:10.625 --> 00:12:13.971 私はある格言を オフィスの壁に掛けています NOTE Paragraph 00:12:13.995 --> 00:12:17.437 数年前に教えた 非先住民族の学生からの贈りものです 00:12:17.461 --> 00:12:18.779 このことは 毎日私に 00:12:18.803 --> 00:12:22.434 共に働けば 大きな成果をあげられると 気づかせてくれます 00:12:23.002 --> 00:12:25.280 しかし もし私たちが 和解について話すのならば 00:12:25.304 --> 00:12:26.510 認識すべきことがあります 00:12:26.534 --> 00:12:29.558 先住民族の言語と文化の 生き残りと維持が 00:12:29.582 --> 00:12:33.307 結果として伴わない和解は 00:12:33.331 --> 00:12:35.410 和解などではありません 00:12:35.434 --> 00:12:37.228 これは同化であって 00:12:37.252 --> 00:12:39.863 誰にとっても 容認されるべきではありません 00:12:40.204 --> 00:12:43.419 しかし私たちにできるのは 「実施要請」に目を向けることであり 00:12:43.443 --> 00:12:47.205 「先住民族の権利に関する国際連合宣言」 を手本にすれば 00:12:47.229 --> 00:12:49.197 次のような相互理解へと繋がります 00:12:49.221 --> 00:12:50.529 私達が所有しているものは― 00:12:50.553 --> 00:12:54.752 国内の先住民の方々のための 言語や文化といった遺産に関してですが― 00:12:54.776 --> 00:12:56.176 守る価値があるという理解です 00:12:56.908 --> 00:13:01.193 これを基に 私たちは共に 前進することができ 00:13:01.217 --> 00:13:03.876 先住民族の言語が確実に 受け継がれるようにできます 00:13:03.900 --> 00:13:06.321 2050年以降も 次の世代以降も 00:13:06.345 --> 00:13:08.478 そして次の7世代にもです NOTE Paragraph 00:13:09.508 --> 00:13:12.129 (オブジウェ語) (モホーク語)(英語) ありがとうございました NOTE Paragraph 00:13:12.153 --> 00:13:16.563 (拍手)