[Script Info] Title: [Events] Format: Layer, Start, End, Style, Name, MarginL, MarginR, MarginV, Effect, Text Dialogue: 0,0:00:06.13,0:00:10.91,Default,,0000,0000,0000,,世界で無類の力持ちで\N勇敢な心を兼ね備えた ヘラクレス Dialogue: 0,0:00:10.91,0:00:14.65,Default,,0000,0000,0000,,自然の魅惑者にして\N音楽の達人 オルフェウス Dialogue: 0,0:00:14.65,0:00:18.56,Default,,0000,0000,0000,,卵から生まれた双子のトリックスター\Nカストルとポルックス Dialogue: 0,0:00:18.56,0:00:23.87,Default,,0000,0000,0000,,空を自在に飛ぶ 北風の息子たち\Nボレアース Dialogue: 0,0:00:23.87,0:00:27.86,Default,,0000,0000,0000,,遠い昔のこと 彼ら英雄たちは\N古代ギリシアを股に掛け Dialogue: 0,0:00:27.86,0:00:30.42,Default,,0000,0000,0000,,寄るところ全てに\N伝説を残していきました Dialogue: 0,0:00:30.42,0:00:34.82,Default,,0000,0000,0000,,なかでも一番の伝説となったのは\N青年イアソンのために Dialogue: 0,0:00:34.82,0:00:38.06,Default,,0000,0000,0000,,彼らが 力を\Nあわせた時のことでした Dialogue: 0,0:00:38.06,0:00:43.72,Default,,0000,0000,0000,,その数年前 イアソンの叔父 ペリアスが\N無慈悲にも イアソンの祖父の死後 Dialogue: 0,0:00:43.72,0:00:45.46,Default,,0000,0000,0000,,テッサリアの王位を簒奪しました Dialogue: 0,0:00:45.46,0:00:48.50,Default,,0000,0000,0000,,イアソンが 父のものであるはずの\N奪われた宮廷に戻ってくると Dialogue: 0,0:00:48.50,0:00:52.62,Default,,0000,0000,0000,,卑怯な王はイアソンに\N一見 実現不可能な任務を言い渡しました Dialogue: 0,0:00:52.62,0:00:55.24,Default,,0000,0000,0000,,大荒れの海を渡って\Nコルキスに向かい Dialogue: 0,0:00:55.24,0:01:00.90,Default,,0000,0000,0000,,アイエテス王の目と鼻の先から 空飛ぶ雄羊の\N金の毛皮を盗み出せというのです Dialogue: 0,0:01:00.90,0:01:03.15,Default,,0000,0000,0000,,もし イアソンが\N金羊毛の入手に成功したならば Dialogue: 0,0:01:03.15,0:01:06.42,Default,,0000,0000,0000,,ペリアスは 王位を手放すと\N約束しました Dialogue: 0,0:01:06.42,0:01:08.20,Default,,0000,0000,0000,,イアソンの冒険的な任務に\N神々は同情し Dialogue: 0,0:01:08.20,0:01:10.86,Default,,0000,0000,0000,,援助を請う彼の声を\N広めました Dialogue: 0,0:01:10.86,0:01:14.50,Default,,0000,0000,0000,,すると じきに 彼の元には\N有望な乗組員が集まりました Dialogue: 0,0:01:14.50,0:01:19.87,Default,,0000,0000,0000,,集まった英雄は 無数の船乗り\N預言者 挑戦的な半神たちと共に Dialogue: 0,0:01:19.87,0:01:23.86,Default,,0000,0000,0000,,頑丈な船の名前にちなんで\N「アルゴナウタイ」と名乗りました Dialogue: 0,0:01:23.86,0:01:27.86,Default,,0000,0000,0000,,しかし 彼らの前途は 最も好戦的な\N英雄ですら 試練に立たせてしまう Dialogue: 0,0:01:27.86,0:01:31.65,Default,,0000,0000,0000,,底知れぬ恐怖に満ち溢れていました Dialogue: 0,0:01:31.65,0:01:37.99,Default,,0000,0000,0000,,一行がまず寄った先は 島の女性が 男性を\N全て殺してしまったという レムノス島でした Dialogue: 0,0:01:37.99,0:01:42.34,Default,,0000,0000,0000,,アフロディテは 罰として\N島の女性が悪臭を放つよう呪ったものの Dialogue: 0,0:01:42.34,0:01:46.31,Default,,0000,0000,0000,,イアソンは物ともせず\N女王と共に双子の親となりました Dialogue: 0,0:01:46.31,0:01:50.73,Default,,0000,0000,0000,,他の乗組員も同様に\N新たな恋愛関係を築いていましたが Dialogue: 0,0:01:50.73,0:01:55.94,Default,,0000,0000,0000,,英雄らしくない振る舞いを\Nヘラクレスに咎められてしまいました Dialogue: 0,0:01:55.94,0:01:59.07,Default,,0000,0000,0000,,やがて 一行は 熊の山という Dialogue: 0,0:01:59.07,0:02:02.71,Default,,0000,0000,0000,,6本腕の古の怪獣たちが Dialogue: 0,0:02:02.71,0:02:06.09,Default,,0000,0000,0000,,平和を愛するドリオネス族と\N一緒に暮らす島へ到着しました Dialogue: 0,0:02:06.09,0:02:09.16,Default,,0000,0000,0000,,ドリオネス族はアルゴナウタイを\N大歓迎しましたが Dialogue: 0,0:02:09.16,0:02:12.19,Default,,0000,0000,0000,,怪獣たちは 山からどっと下ってきて Dialogue: 0,0:02:12.19,0:02:15.66,Default,,0000,0000,0000,,停泊する船に岩を投げつけたのです Dialogue: 0,0:02:15.66,0:02:18.15,Default,,0000,0000,0000,,船の仲間が乱闘に加わるより早く Dialogue: 0,0:02:18.15,0:02:20.57,Default,,0000,0000,0000,,ヘラクレスが たった一人で\N攻撃を捌ききりました Dialogue: 0,0:02:20.57,0:02:25.24,Default,,0000,0000,0000,,勝利に元気付けられ 意気揚々とした\N英雄たちは旅路を進めましたが Dialogue: 0,0:02:25.24,0:02:29.67,Default,,0000,0000,0000,,嵐が幾夜も続いたあと 彼らの船は\N同じ島に吹き戻されてしまいました Dialogue: 0,0:02:29.67,0:02:34.43,Default,,0000,0000,0000,,大嵐の中 ドリオネス族は 新たに\N到着した彼らを侵略者と思い込みました Dialogue: 0,0:02:34.43,0:02:37.90,Default,,0000,0000,0000,,アルゴナウタイもまた\N周囲の状況を把握できておらず Dialogue: 0,0:02:37.90,0:02:42.48,Default,,0000,0000,0000,,暗闇の中で まごつきながら戦い\N波のように押し寄せる敵を倒していきました Dialogue: 0,0:02:42.48,0:02:45.93,Default,,0000,0000,0000,,しかし 朝の光によって\N惨憺たる真実が明らかになりました Dialogue: 0,0:02:45.93,0:02:50.59,Default,,0000,0000,0000,,この犠牲者たちは 以前 彼らを\Nもてなした人々に 他ならなかったのです Dialogue: 0,0:02:50.59,0:02:54.33,Default,,0000,0000,0000,,イアソンはまたしても\N乗組員の気をまとめることに失敗し Dialogue: 0,0:02:54.33,0:02:56.73,Default,,0000,0000,0000,,しかも 今回は酷い代償を\N払う羽目になりました Dialogue: 0,0:02:56.73,0:03:01.14,Default,,0000,0000,0000,,統率の取り方を恥じたイアソンは\N金羊毛の入手に専心すると決心しましたが Dialogue: 0,0:03:01.14,0:03:04.22,Default,,0000,0000,0000,,この焦りすら\N破滅的な帰結をもたらしました Dialogue: 0,0:03:04.22,0:03:07.62,Default,,0000,0000,0000,,ヘラクレスの従者が\N水の精に誘拐されたとき Dialogue: 0,0:03:07.62,0:03:13.96,Default,,0000,0000,0000,,最も強力な乗組員の不在も知らずに\Nイアソンは 航路を先に進めました Dialogue: 0,0:03:13.96,0:03:16.69,Default,,0000,0000,0000,,残ったアルゴナウタイたちは\N旅を続けましたが Dialogue: 0,0:03:16.69,0:03:22.91,Default,,0000,0000,0000,,ハーピー(女面鳥身の生き物)の群れに\N囲まれた老人を目にして 足を止めました Dialogue: 0,0:03:22.91,0:03:29.19,Default,,0000,0000,0000,,老人は 予言者のピネアスであり\N予言を授けたかどで Dialogue: 0,0:03:29.19,0:03:33.50,Default,,0000,0000,0000,,老齢と盲目 終わりのない拷問の呪いを\Nゼウスに掛けられていました Dialogue: 0,0:03:33.50,0:03:37.18,Default,,0000,0000,0000,,彼の有様に心を動かされた\N風の兄弟は ハーピーの群れを攻撃し Dialogue: 0,0:03:37.18,0:03:40.41,Default,,0000,0000,0000,,懲罰からの一時の休息の機会を\Nピネアスに与えました Dialogue: 0,0:03:40.41,0:03:41.96,Default,,0000,0000,0000,,その見返りに Dialogue: 0,0:03:41.96,0:03:47.07,Default,,0000,0000,0000,,予言者は 先に待ち構える恐ろしい試練 ―\N船にぶつかり 木っ端微塵にしてしまう Dialogue: 0,0:03:47.07,0:03:53.44,Default,,0000,0000,0000,,シュムプレガデスという対の岩を\N通過する方法を一行に伝えました Dialogue: 0,0:03:53.44,0:03:58.11,Default,,0000,0000,0000,,しかし アルゴナウタイはその前に\N地獄の入り口の横を通り Dialogue: 0,0:03:58.11,0:04:04.09,Default,,0000,0000,0000,,幻覚を起こさせる空のもと 血に飢えた\Nアマゾネスの島の周りを航行せねばなりません Dialogue: 0,0:04:04.09,0:04:07.85,Default,,0000,0000,0000,,このような冒険によって\N一行は船員と士気とを失い Dialogue: 0,0:04:07.85,0:04:11.50,Default,,0000,0000,0000,,発狂しているかもしれないと\N危惧するものも出てきました Dialogue: 0,0:04:11.50,0:04:16.43,Default,,0000,0000,0000,,ぶつかり合う岩に到達すると\N疲弊した一行は恐怖に打ち震えました Dialogue: 0,0:04:16.43,0:04:19.51,Default,,0000,0000,0000,,しかし 脳裏には ピネアスの忠告が\N鮮明に浮かびました Dialogue: 0,0:04:19.51,0:04:21.95,Default,,0000,0000,0000,,アルゴナウタイは\N鳩を一匹放ち Dialogue: 0,0:04:21.95,0:04:26.10,Default,,0000,0000,0000,,その飛んだ後を駆って進み\N無傷で抜け出しました Dialogue: 0,0:04:26.10,0:04:31.50,Default,,0000,0000,0000,,命拾いしたアルゴナウタイの目に\Nコルキスが ようやく映りました Dialogue: 0,0:04:31.50,0:04:34.94,Default,,0000,0000,0000,,しかし イアソンが\N休息して 仲間と祝う間も Dialogue: 0,0:04:34.94,0:04:38.77,Default,,0000,0000,0000,,彼が一行と過ごす時間が 終わりに\N近づいていることを感じ取っていました Dialogue: 0,0:04:38.77,0:04:43.80,Default,,0000,0000,0000,,金羊毛が脳裏できらめき 彼は一人で\N手に入れねばならないことを悟りました Dialogue: 0,0:04:43.80,0:04:45.45,Default,,0000,0000,0000,,この時 彼は知り得ませんでしたが Dialogue: 0,0:04:45.45,0:04:50.05,Default,,0000,0000,0000,,この最後の任務に支払う代償は\N今までの旅路で 最も高いものとなるのです