0:00:00.000,0:00:04.000 TOMER SHARON 0:00:04.000,0:00:06.000 こんにちは。私はTOMER SHARONといいます。 0:00:06.000,0:00:09.000 Googleサーチでユーザー体験の研究をしていて、 0:00:09.000,0:00:12.000 「リーンユーザーリサーチ」という本を書きました。 0:00:12.000,0:00:15.000 今日は、お客様やユーザー、 0:00:15.000,0:00:18.000 そして見込み客に上手な質問をして、 0:00:18.000,0:00:20.000 より良い回答を引き出す方法をお話しします。 0:00:20.000,0:00:24.000 「トークショーのホストのような会話力、作家のような思考力、 0:00:24.000,0:00:27.000 精神科医のような洞察力、 0:00:27.000,0:00:30.000 音楽家のような耳を持つこと」 0:00:30.000,0:00:33.000 インタビューについて語られた素敵な言葉です。 0:00:33.000,0:00:35.000 インタビューというのは、 0:00:35.000,0:00:38.000 対話を通じて情報を集めることです。 0:00:38.000,0:00:40.000 でも、インタビューを始める前に、 0:00:40.000,0:00:42.000 質問の仕方を考える前に、 0:00:42.000,0:00:45.000 なぜインタビューするのかを考えましょう。 0:00:45.000,0:00:47.000 その場にいる目的は何か、 0:00:47.000,0:00:50.000 何を学びたいのかを明確にします。 0:00:50.000,0:00:53.000 インタビューで重要なのは、 0:00:53.000,0:00:55.000 「合理化」という現象を 0:00:55.000,0:00:58.000 理解することです。 0:00:58.000,0:01:00.000 合理化というのは、 0:01:00.000,0:01:04.000 過去の出来事について質問されたとき、 0:01:04.000,0:01:06.000 自分をいい人間に見せようとして、 0:01:06.000,0:01:09.000 賢く見せようとして、 0:01:09.000,0:01:10.000 現実を少し変えてしまうことです。 0:01:10.000,0:01:14.000 例を挙げましょう。 0:01:14.000,0:01:18.000 誰も見てないときにバナナの皮を床に捨てますか? 0:01:18.000,0:01:21.000 きっと「捨てません。 0:01:21.000,0:01:23.000 そんなことする人間じゃありません」と答えるでしょう。 0:01:23.000,0:01:26.000 でも実際に誰もいない状況になったら、 0:01:26.000,0:01:29.000 2週間後には捨ててしまうかもしれない。 0:01:29.000,0:01:31.000 悪い人だからじゃなく、 0:01:31.000,0:01:34.000 うそをついているわけでもなく、 0:01:34.000,0:01:36.000 信念に反しているわけでもありません。 0:01:36.000,0:01:37.000 合理化しているんです。 0:01:37.000,0:01:40.000 いい人に見られたい、 0:01:40.000,0:01:42.000 役に立つ人間だと思われたいんです。 0:01:42.000,0:01:46.000 インタビューで質問するときは、 0:01:46.000,0:01:48.000 体験談を引き出しましょう。 0:01:48.000,0:01:50.000 これが一番大切なポイントです。 0:01:50.000,0:01:53.000 実際に起きた出来事について聞いてください。 0:01:53.000,0:01:55.000 行動について聞いてください。 0:01:55.000,0:01:58.000 例えば、ある状況で、 0:01:58.000,0:02:01.000 黙って相手の話に耳を傾けます。 0:02:01.000,0:02:05.000 できれば、実際の行動を見せてもらうのが一番です。 0:02:05.000,0:02:07.000 メールの読み方を聞くなら、 0:02:07.000,0:02:10.000 実際にやってもらいましょう。 0:02:10.000,0:02:12.000 「どうやるか見せてください」と。 0:02:12.000,0:02:13.000 認識についても聞きます。 0:02:13.000,0:02:15.000 認識自体が重要なんじゃなく、 0:02:15.000,0:02:17.000 体験談を引き出すのに 0:02:17.000,0:02:19.000 役立つからです。 0:02:19.000,0:02:22.000 「XとYの違いは?」という質問。 0:02:22.000,0:02:25.000 一見つまらない質問に見えますが、 0:02:25.000,0:02:27.000 何か面白い体験を 0:02:27.000,0:02:30.000 思い出すきっかけになるかもしれません。 0:02:30.000,0:02:32.000 インタビューで最も重要なのは、 0:02:32.000,0:02:36.000 一見目立たないものです。 0:02:36.000,0:02:37.000 追加質問です。 0:02:37.000,0:02:40.000 本当に何が起きたのか、 0:02:40.000,0:02:42.000 深い理解が得られます。 0:02:42.000,0:02:45.000 「なぜ目を回したんですか?」 0:02:45.000,0:02:47.000 「どういう意味ですか?」 0:02:47.000,0:02:49.000 「なぜスマホを第三の腕って呼ぶんですか?」 0:02:49.000,0:02:54.000 こういう質問で行動の本質が見えてきます。 0:02:54.000,0:02:56.000 次は避けるべきことです。 0:02:56.000,0:02:59.000 将来のことを聞かないでください。 0:02:59.000,0:03:02.000 プロダクト開発者がよくする 0:03:02.000,0:03:07.000 質問が3つあります。「この製品使いますか?」 0:03:07.000,0:03:09.000 「お金払いますか?」 0:03:09.000,0:03:10.000 「いくら払いますか?」 0:03:10.000,0:03:13.000 こういう質問は最悪です。 0:03:13.000,0:03:14.000 なぜか? 0:03:14.000,0:03:17.000 未来の予測を求めているからです。 0:03:17.000,0:03:20.000 実は誰にもわからないんです。 0:03:20.000,0:03:22.000 もっと問題なのは、 0:03:22.000,0:03:25.000 わかったつもりで答えてしまうことです。 0:03:25.000,0:03:29.000 もう一つ避けたいのが、誘導尋問です。 0:03:29.000,0:03:33.000 自分の意見を質問に混ぜて、 0:03:33.000,0:03:36.000 相手に望む答えを誘導するような 0:03:36.000,0:03:39.000 質問は 0:03:39.000,0:03:42.000 避けましょう。 0:03:42.000,0:03:43.000 威圧的な態度もダメです。 0:03:43.000,0:03:47.000 座っている人の後ろに立って 0:03:47.000,0:03:49.000 質問するのは、 0:03:49.000,0:03:51.000 威圧的な態度です。 0:03:51.000,0:03:52.000 やめましょう。 0:03:52.000,0:03:56.000 答え方に影響してしまいます。 0:03:56.000,0:03:58.000 質問の説明もしないでください。 0:03:58.000,0:04:00.000 黙って待ちましょう。 0:04:00.000,0:04:03.000 質問をしたとき、 0:04:03.000,0:04:06.000 沈黙が続くことがあります。 0:04:06.000,0:04:08.000 考えているのかもしれません。 0:04:08.000,0:04:10.000 何か思い出そうとしているのかも。 0:04:10.000,0:04:13.000 質問の意味がわからないのかもしれません。 0:04:13.000,0:04:14.000 待ちましょう。 0:04:14.000,0:04:17.000 つい説明したくなりますが、 0:04:17.000,0:04:18.000 やめましょう。 0:04:18.000,0:04:21.000 数秒待ってみてください。 0:04:21.000,0:04:24.000 相手が自然と話し始めます。 0:04:24.000,0:04:27.000 最後に、フィードバックを求めないこと。 0:04:27.000,0:04:29.000 これもよくある間違いです。 0:04:29.000,0:04:32.000 開発者がインタビューでよくやることです。 0:04:32.000,0:04:35.000 製品の説明や紹介をして、 0:04:35.000,0:04:37.000 感想を求めるんです。 0:04:37.000,0:04:40.000 製品があるなら、使ってもらいましょう。 0:04:40.000,0:04:42.000 モックでも、使ってもらうんです。 0:04:42.000,0:04:44.000 鉛筆でもいいから使ってみてもらう。 0:04:44.000,0:04:46.130 最後に、誘導質問についてです。 0:04:46.130,0:04:47.600 簡単な練習をしましょう。 0:04:47.600,0:04:49.390 いくつかの質問を見て、 0:04:49.390,0:04:51.770 誘導的かどうか考えてみましょう。 0:04:51.770,0:04:53.000 それぞれ見ていきます。 0:04:53.000,0:04:54.000 まず一つ目。 0:04:54.000,0:04:56.000 「現行版と、この改良版の 0:04:56.000,0:04:59.000 どちらを使いたいですか?」 0:04:59.000,0:05:01.000 「改良版」という言葉自体が、 0:05:01.000,0:05:05.000 あなたの意見を含んでいて、望む答えに 0:05:05.000,0:05:08.000 誘導してしまいます。 0:05:08.000,0:05:12.000 「今のNetflixと比べてどうですか?」 0:05:12.000,0:05:16.000 これはNetflixへの印象で誘導してしまいます。 0:05:16.000,0:05:20.000 良いにせよ悪いにせよ、中立でない答えに 0:05:20.000,0:05:21.000 誘導することになります。 0:05:21.000,0:05:23.000 他と比較せずに 0:05:23.000,0:05:26.000 質問するようにしましょう。 0:05:26.000,0:05:28.000 「どう思いましたか?」 0:05:28.000,0:05:31.000 こう聞くと、相手は 0:05:31.000,0:05:33.000 考えてもいなかったことを 0:05:33.000,0:05:35.000 無理に考えることになります。 0:05:35.000,0:05:37.000 避けましょう。 0:05:37.000,0:05:39.000 「ここをクリックしてログインしますか?」 0:05:39.000,0:05:42.680 これは「ここをクリックしてログインして」と[br]言うのと同じです。 0:05:42.680,0:05:46.000 かなり誘導的な質問です。 0:05:46.000,0:05:47.000 「ここの何が問題ですか?」 0:05:47.000,0:05:50.000 これも、問題があるという 0:05:50.000,0:05:53.000 前提を押しつけて、相手に 0:05:53.000,0:05:56.000 そう答えさせようとしています。 0:05:56.000,0:05:59.000 質問の仕方について、おすすめの資料が 0:05:59.000,0:06:02.000 3つあります。 0:06:02.000,0:06:05.000 本と記事と動画です。 0:06:05.000,0:06:08.000 本はスティーブ・ポーティガルの「Interviewing Users」。 0:06:08.000,0:06:11.000 記事は「16 Interviewing Tips」で、 0:06:11.000,0:06:14.000 Google VenturesのMichael Margolisが書いています。 0:06:14.000,0:06:17.000 動画は「What People Are Really Doing」で 0:06:17.000,0:06:20.000 IITのInstitute of Designが制作しています。 0:06:20.000,0:06:22.000 最後にまとめます。 0:06:22.000,0:06:24.000 ストーリーを探しましょう。 0:06:24.000,0:06:26.000 行動について聞きましょう。 0:06:26.000,0:06:30.000 できれば、行動を観察させてもらいましょう。 0:06:30.000,0:06:33.000 フォローアップの質問が非常に重要です。 0:06:33.000,0:06:35.000 将来のことは聞かない。 0:06:35.000,0:06:37.000 誘導的な質問はしない。 0:06:37.000,0:06:40.000 フィードバックは求めない。 0:06:40.000,0:06:42.000 その代わり、良い質問をしましょう。 0:06:42.000,0:06:44.000 ありがとうございました