1
00:01:14,450 --> 00:01:24,740
三昧（ざんまい）は

2
00:01:24,740 --> 00:01:30,640
古代のサンスクリット語で
現代には似た言葉はありません

3
00:01:30,640 --> 00:01:38,210
三昧の動画をつくるには
根本的な難しさがあります

4
00:01:38,210 --> 00:01:54,230
三昧は マインドのレベルで伝えられない
あるものを示すのです

5
00:01:54,230 --> 00:02:00,240
この動画は 私自身の内なる旅を
ただ外に表現しているだけで

6
00:02:00,240 --> 00:02:06,950
三昧について教えようとか マインドに
情報を提供しようとかいうつもりはなく

7
00:02:06,950 --> 00:02:17,260
あなたが直接 自分の本質を発見するよう
インスピレーションを与えたいと思います

8
00:02:17,260 --> 00:02:29,200
三昧は今
かつてなかったほど関連性があります

9
00:02:29,200 --> 00:02:34,840
私たちは三昧を忘れただけでなく
何を忘れたのか思い出せないという

10
00:02:34,840 --> 00:02:43,700
歴史の一点に立っています

11
00:02:43,700 --> 00:03:28,129
この忘却はマーヤーといい
自己の幻影を指します

12
00:03:28,129 --> 00:03:34,239
人間として 私たちは大抵 日々に追われ
自分が誰なのか

13
00:03:34,239 --> 00:03:42,439
何故ここにいるのか どこへ行くのか
ほとんど考えもしません

14
00:03:42,439 --> 00:03:49,680
大抵の人は真の自己 つまり魂あるいは
ブッダが「無我」と呼んだもの

15
00:03:49,680 --> 00:03:56,980
名前や形を超越し 思考を超越したもの
を悟ったことはありません

16
00:03:56,980 --> 00:04:01,520
その結果 自分は
この限られた肉体であると信じています

17
00:04:01,520 --> 00:04:10,870
気づく気づかないに関わらず
回りが自己として識別する

18
00:04:10,870 --> 00:04:25,630
この限られた自分の肉体構造は死ぬのだと
私たちは怖れながら生きています

19
00:04:25,630 --> 00:04:30,890
今日の世界では
宗教や ヨガ、祈り、瞑想、読経

20
00:04:30,890 --> 00:04:39,750
あるいは他の習慣などの
スピリチュアルな修行に携わる大多数が

21
00:04:39,750 --> 00:04:42,340
条件づけられたテクニックを用います

22
00:04:42,340 --> 00:04:49,530
つまり自我の構築の一部だということです

23
00:04:49,530 --> 00:04:55,479
探求したり活動したりは問題ではありません

24
00:04:55,479 --> 00:05:01,260
外部の形式に答えを見いだした思考が
問題なのです

25
00:05:01,260 --> 00:05:07,350
一般的な形のスピリチュアリティ―は
どこにでもある病的な考えと

26
00:05:07,350 --> 00:05:10,680
なんら変わりません

27
00:05:10,680 --> 00:05:14,050
マインドをさらにかき立てることです

28
00:05:14,050 --> 00:05:19,480
人としての存在に対し
もっと人の行動に関わります

29
00:05:19,480 --> 00:05:28,840
自我の構築は 金を力を愛を
何もかもを さらに欲しがります

30
00:05:28,840 --> 00:05:37,610
いわゆるスピリチュアルな道をたどる人は
さらにスピリチュアルに、さらに目覚め、

31
00:05:37,610 --> 00:05:43,380
さらに落ち着き、平安、悟りを欲しがります

32
00:05:43,380 --> 00:05:53,141
この動画を見る危険性は
マインドが三昧を欲しがるようになることです

33
00:05:53,141 --> 00:06:01,130
さらに危険なのは
マインドが三昧を得たと思い込むことです

34
00:06:01,130 --> 00:06:06,270
何かを得たいと望むときはいつも
自我の構築が働いていると思って

35
00:06:06,270 --> 00:06:08,120
間違いありません

36
00:06:08,120 --> 00:06:17,850
三昧は自分に何かを得たり
足したりすることではありません

37
00:06:17,850 --> 00:06:26,830
三昧を悟るとは自分が死ぬ前に
死を学ぶことです

38
00:06:26,830 --> 00:06:32,360
生と死は陰陽のようなもので
切り離せない連続体であり

39
00:06:32,360 --> 00:06:37,440
果てしなく展開し
始まりも終わりもありません

40
00:06:37,440 --> 00:06:42,630
死を追い払えば 生も追い払います

41
00:06:42,630 --> 00:06:48,820
自分が誰なのか 真実をじかに体験すれば

42
00:06:48,820 --> 00:06:51,030
もう生も死も怖くありません

43
00:06:51,030 --> 00:07:00,160
社会や文化に自分が誰なのか教えられ
同時に私たちは

44
00:07:00,160 --> 00:07:12,719
奥底に隠れた生理的な欲求と嫌悪に
選択を支配され 奴隷となっています

45
00:07:12,719 --> 00:07:16,360
自我の構築は 反復しようとする衝動以外の
何ものでもありません

46
00:07:16,360 --> 00:07:22,880
単にエネルギーが一度通った道を
また通ろうとする傾向なのです

47
00:07:22,880 --> 00:07:33,190
その道が生命体に良かろうと悪かろうと

48
00:07:33,190 --> 00:07:39,760
記憶やマインドには限りないレベルがあり
スパイラルの中にスパイラルが渦巻き

49
00:07:39,760 --> 00:07:46,530
意識がこのマインドつまり自我の構築に
同調すると

50
00:07:46,530 --> 00:07:54,750
私たちを社会条件に結びつけます
鋳型とも呼べるでしょう

51
00:07:54,750 --> 00:08:00,940
自我には意識できる側面もありますが
無意識や昔の記憶や

52
00:08:00,940 --> 00:08:13,370
原始体験に基づく恐れが
原動力になって

53
00:08:13,370 --> 00:08:18,649
快楽を求めたり 苦痛を避けたり

54
00:08:18,649 --> 00:08:31,089
病的な行動を昇華させたり...仕事や...
人間関係や...

55
00:08:31,089 --> 00:08:37,150
確信、思考、そして生活全般にわたる
限りないパターンを後通ししているのです

56
00:08:37,150 --> 00:09:08,120
家畜のように 殆どの人間は鋳型に人生を
はめて無抵抗に服従し 生き 死んでゆきます

57
00:09:08,120 --> 00:09:12,200
狭いパターンに人生をくぎ付けにして生きます

58
00:09:12,200 --> 00:09:17,460
人生はしばしば大変な苦悩に満ちていますが

59
00:09:17,460 --> 00:09:25,990
実は 自由になれるのだということに
私たちは全く気がつきません

60
00:09:25,990 --> 00:09:34,300
過去から引きずってきた人生を振り払って
内なる世界からの誕生を待っているほうの

61
00:09:34,300 --> 00:10:08,300
人生を生きるのは可能なのです

62
00:10:08,300 --> 00:10:20,800
私たちはこの世に生理的な条件つきの構造を
持って生まれましたが 自己意識はなく

63
00:10:20,800 --> 00:10:29,280
よく小さな子供の目をのぞき込むと 自己の
かけらは少しもなく 空の輝きだけが見えます

64
00:10:29,280 --> 00:10:36,510
育った人というのは 
意識の上にかぶったマスクなのです

65
00:10:36,510 --> 00:10:54,260
シェイクスピア曰く「この世はすべて一つの舞台
人間は男も女も すべて役者にすぎない」

66
00:10:54,260 --> 00:11:04,290
目覚めた個人なら 意識が人格を通し
マスクを通して輝きます

67
00:11:04,290 --> 00:11:08,960
あなたが目覚めると 演じる役柄で
識別されません

68
00:11:08,960 --> 00:11:17,030
自分は 着けているマスクだとは
思いませんが

69
00:11:17,030 --> 00:11:29,700
その役を演じるのを やめたりもしません

70
00:11:41,200 --> 00:11:47,160
私たちが役柄または
自分のペルソナによって識別されるとき

71
00:11:47,160 --> 00:11:53,140
それはマーヤー つまり自己の幻影です

72
00:11:53,140 --> 00:12:01,840
三昧とは 人生の劇の中で演じる役という
夢から覚めることです

73
00:12:12,780 --> 00:12:19,050
プラトンが『国家』を書いてから240年
たちますが

74
00:12:19,050 --> 00:12:25,430
人類はいまだに
プラトンの洞窟から抜け出せずにいます

75
00:12:25,430 --> 00:12:36,680
実際 私たちはかつてなかったほど
幻影にとらわれています

76
00:12:36,680 --> 00:12:42,600
プラトンはソクラテスに 洞窟で鎖につながれ
岩壁を一生見て過ごした一団の人々について

77
00:12:42,600 --> 00:12:44,220
説明させました

78
00:12:44,220 --> 00:12:50,480
見えるものといえば 彼らの後ろで
焚火の前を通りすぎるものの影が映る

79
00:12:50,480 --> 00:12:53,440
岩壁だけだったのです

80
00:12:53,440 --> 00:12:56,960
この人形劇のようなものが
彼らの世界になりました

81
00:12:56,960 --> 00:13:06,560
ソクラテスによれば
影たちは 囚人が現実を見ることに

82
00:13:06,560 --> 00:13:11,100
最も近いものでした

83
00:13:11,100 --> 00:13:16,370
外の世界のことを教えられても
囚人は 影たちしかいないのだと

84
00:13:16,370 --> 00:13:19,430
信じ続けました

85
00:13:19,430 --> 00:13:24,400
もっと他のものがあるのではと感じても

86
00:13:24,400 --> 00:13:36,000
自分の見慣れたものを離れるのが
嫌だったのです

87
00:13:36,000 --> 00:13:40,800
今日の人類は 洞穴の壁に映った影しか
見ていない人々のようです

88
00:13:40,800 --> 00:13:44,260
影は私たちの思考を例えたものです

89
00:13:44,260 --> 00:13:47,779
思考の世界は
私たちが知っている唯一の世界ですが

90
00:13:47,779 --> 00:13:52,150
思考を超えた世界が他にあるのです

91
00:13:52,150 --> 00:13:55,029
二面性のマインドを越えた世界が

92
00:13:55,029 --> 00:14:03,380
洞窟を離れ
今まで知っていたものを離れ

93
00:14:03,380 --> 00:14:16,390
あなたが本当は誰なのか 発見する意欲はありますか？

94
00:14:16,390 --> 00:14:22,371
三昧を経験するには 注意を陰からそらし

95
00:14:22,371 --> 00:14:25,900
思考から光へと注意を向ける必要があります

96
00:14:25,900 --> 00:14:40,640
人が暗闇だけに慣れていたら

97
00:14:40,640 --> 00:14:49,330
徐々に光に慣れていかなければなりません

98
00:14:49,330 --> 00:14:55,240
新しい概念になれるときはいつもそうですが
時間と努力を要し

99
00:14:55,240 --> 00:15:16,680
新しいものを探求し
古いものを脱ぎ捨てる意思を要します

100
00:15:16,680 --> 00:15:30,330
マインドは 意識にとって罠に あるいは
迷路か牢獄にたとえられます

101
00:15:30,330 --> 00:15:39,779
あなたが牢獄にいるのではなく
あなたが牢獄なのです

102
00:15:39,779 --> 00:15:48,270
牢獄は幻影です

103
00:15:48,270 --> 00:15:54,330
あなたが幻の自己として認識されれば
あなたは眠っているのです

104
00:15:54,330 --> 00:15:59,340
いったん牢獄に気付いて
幻影から抜け出そうと戦えば

105
00:15:59,340 --> 00:16:06,820
あなたは幻影を現実であるかのように扱い
まだ眠ったままで

106
00:16:06,820 --> 00:16:07,820
ただ夢が悪夢になっただけです

107
00:16:07,820 --> 00:16:19,440
永遠に影を追い
影から逃げ続けることになります

108
00:16:19,440 --> 00:16:26,570
三昧とは 自分とは別の自己 つまり
自我の構築という夢から覚めることです

109
00:16:26,570 --> 00:16:38,610
三昧とは 自分という牢獄との同一化から
覚めることです

110
00:16:38,610 --> 00:16:47,690
あなたは実際 自由にはなれません
どこへ行こうと牢獄がありますから

111
00:16:47,690 --> 00:16:53,601
目覚めはマインドつまり鋳型を捨てることでは
ありません　その逆で

112
00:16:53,601 --> 00:16:58,860
マインドと同一化していなければ
人生の劇をさらに充実して体験でき

113
00:16:58,860 --> 00:17:03,700
劇を劇として楽しみ
渇望したり怖れたりしなくて済みます

114
00:17:03,700 --> 00:17:09,880
古代の教えでは これをリーラの聖なる遊びと呼んでいました

115
00:17:09,880 --> 00:17:22,039
二元性における遊びです

116
00:17:22,039 --> 00:17:25,549
人間の意識は連続しています

117
00:17:25,549 --> 00:17:31,169
極端に言えば
人間は物理的な自己として識別されます

118
00:17:31,169 --> 00:17:37,559
別の極に三昧があり
それは自己を休止することです

119
00:17:37,559 --> 00:17:46,470
連続の中で三昧に向けてたどる一歩一歩は
苦しみを和らげます

120
00:17:46,470 --> 00:17:51,610
苦しみが和らぐとは
人生に苦痛がないという意味ではありません

121
00:17:51,610 --> 00:17:58,909
三昧は苦痛と快楽の二元性を超越しています

122
00:17:58,909 --> 00:18:04,299
それはマインドを減らすという意味であり

123
00:18:04,299 --> 00:18:22,309
何が起ころうと それに対する自己の抵抗を
減らすのです　抵抗が苦しみをもたらすのです

124
00:18:22,309 --> 00:18:28,220
三昧に一度でも気づけば
連続の果てに何があるか見えます

125
00:18:28,220 --> 00:18:34,570
物質的な世界や自己の興味以外に
何かが存在するのを知ることです

126
00:18:34,570 --> 00:18:41,309
自我の構造が実際 三昧のうちに休止するとき
利己的な考えはなく

127
00:18:41,309 --> 00:18:51,020
自己も二元性もありませんが
私たるもの あるいは無我はまだ存在します

128
00:18:51,020 --> 00:19:01,059
その無の中に智慧の夜明けがあります
つまり生まれようとしている自己は

129
00:19:01,059 --> 00:19:10,820
二元性の劇をはるかに超え
連続すべてを越えたものと理解するのです

130
00:19:10,820 --> 00:19:18,440
生まれようとする自己は無限で
変わらずいつでも今 存在します

131
00:19:18,440 --> 00:19:24,509
悟りとは 基本原理のスパイラル
常に移ろい現れる世界

132
00:19:24,509 --> 00:19:34,269
つまり時が開花するロータスと あなたという
永遠の存在とを合体させることです

133
00:19:34,269 --> 00:19:41,700
あなたの内なる理解は
自己を識別しなくなるにつれ

134
00:19:41,700 --> 00:20:09,580
常に開き続ける花のように育ち 時の世界と
無限との間で生きた架け橋となるのです

135
00:20:09,580 --> 00:20:14,539
生まれようとしている自己にただ気付くのは
人の道の始まりにすぎません

136
00:20:14,539 --> 00:20:20,530
大抵の人は瞑想中に何度も
三昧を経験しては失い それから

137
00:20:20,530 --> 00:20:24,629
人生の他の局面に
三昧を取り入れることができます

138
00:20:24,629 --> 00:20:32,220
瞑想や自問の中で 自己の本質に
深い洞察を得てから

139
00:20:32,220 --> 00:20:39,990
また古いパターンに逆戻りし

140
00:20:39,990 --> 00:20:53,750
自分が本当は
誰なのか忘れることは珍しくありません

141
00:20:53,750 --> 00:21:00,950
静けさ あるいは空を
人生の全ての面で気づくのは

142
00:21:00,950 --> 00:21:23,619
すべてのものごとで踊っている
空そのものになることです

143
00:21:23,619 --> 00:21:27,600
静けさは動きから離れたものではありません

144
00:21:27,600 --> 00:21:30,799
動きの逆ではありません

145
00:21:30,799 --> 00:21:42,159
三昧において静けさは動きと同一視され
形は空と同一なのです

146
00:21:42,159 --> 00:22:02,440
これはマインドには空論です
マインドは二元性に踏み込むという事ですから

147
00:22:02,440 --> 00:22:09,649
ルネ・デカルトは西洋哲学の父で
『我思う、ゆえに我あり』という言葉で

148
00:22:09,649 --> 00:22:11,139
有名です

149
00:22:11,139 --> 00:22:18,340
これほどはっきり文明の崩壊と
洞窟の壁に映った影を全面的に認める

150
00:22:18,340 --> 00:22:23,109
言葉はありません

151
00:22:23,109 --> 00:22:32,460
デカルトの誤りは
ほぼ全人類の誤りと似ていて

152
00:22:32,460 --> 00:22:36,740
根本的な存在を 思考と同じだとすることです

153
00:22:36,740 --> 00:22:51,309
著名な論文の初めに デカルトは
ほぼすべてを疑うことができると書きました

154
00:22:51,309 --> 00:23:03,340
自分の感覚や思考さえも
疑ってかかることができると

155
00:23:03,340 --> 00:23:09,991
同じくカーマ・スートラでブッダは言いました
真実を確保するためには

156
00:23:09,991 --> 00:23:17,320
人はすべての伝統、聖典、教え
また思考や感覚の内容を

157
00:23:17,320 --> 00:23:19,919
疑わなければならないと

158
00:23:19,919 --> 00:23:28,350
両者とも懐疑的な態度で出発しましたが
違いは デカルトの探求が思考レベルで

159
00:23:28,350 --> 00:23:35,059
ブッダはさらに深く進んで
マインドの最深レベルを

160
00:23:35,059 --> 00:23:39,739
突き抜けていったことです

161
00:23:39,739 --> 00:23:46,859
もしデカルトが思考するマインドを越えて
いったら 自分の本質に気づいたかもしれず

162
00:23:46,859 --> 00:23:52,970
西洋の意識は今日
全く違っていたかも知れません

163
00:23:52,970 --> 00:24:00,889
その代わり デカルトは
悪霊が私たちを幻影の中に閉じ込めている

164
00:24:00,889 --> 00:24:04,039
という可能性を述べていました

165
00:24:04,039 --> 00:24:10,940
デカルトは悪霊の正体を認識しなかったのです

166
00:24:10,940 --> 00:24:19,409
マトリックスという映画にあったように
私たちはみな複雑な仕組みにつながれて

167
00:24:19,409 --> 00:24:22,250
幻の世界をむさぼっているのかも知れません

168
00:24:22,250 --> 00:24:27,399
映画では 人類は仮想現実の中で
生きていながら 別のレベルでは

169
00:24:27,399 --> 00:24:32,960
単なるバッテリーで
生命の力をマシンに提供していました

170
00:24:32,960 --> 00:25:06,720
マシンは人類のエネルギーを
自分たちの計画に利用していたのです

171
00:25:06,720 --> 00:25:11,399
人はいつも 自分の不幸や世界情勢を
自分以外のせいに

172
00:25:11,399 --> 00:25:12,799
したがります

173
00:25:12,799 --> 00:25:20,100
それが他人かグループ、国、宗教にせよ
デカントの悪霊のような 支配欲に満ちた

174
00:25:20,100 --> 00:25:27,999
啓蒙主義者にせよ マトリックスに登場する
意識を持つマシンにせよ

175
00:25:27,999 --> 00:25:35,139
皮肉なことに デカントの提唱した悪霊こそ
彼自身を定義するもの

176
00:25:35,139 --> 00:25:36,139
だったのです

177
00:25:36,139 --> 00:25:42,759
三昧を悟ると 支配者がいて
マシンがいて 悪霊がいて

178
00:25:42,759 --> 00:25:48,379
あなたの人生を日々
搾り取っているのがはっきりします

179
00:25:48,379 --> 00:26:01,250
そのマシンとは あなたなのです

180
00:26:01,250 --> 00:26:08,230
自己構造は無数の条件づけられた
下層プログラムというか小さなボスで成り立ち

181
00:26:08,230 --> 00:26:21,190
あるボスは食物を渇望し
別のボスは金を 地位を パワーを

182
00:26:21,190 --> 00:26:25,679
セックスを 親密な関係を渇望します

183
00:26:25,679 --> 00:26:28,799
別のボスは意識を
あるいは他人の注意を欲しがります

184
00:26:28,799 --> 00:26:34,879
欲求には限りがなく
満足させることはできません

185
00:26:34,879 --> 00:26:40,679
私たちは時間とエネルギーをたくさん費やして
自分の牢獄を飾りたて 圧力に屈して

186
00:26:40,679 --> 00:26:47,019
マスクをつけ 小さなボスに食物を与えて
さらにパワフルにしているのです

187
00:26:47,019 --> 00:26:56,710
麻薬中毒者のように 小さなボスを満足
させようとすればするほど欲求が募るのです

188
00:26:56,710 --> 00:27:04,729
自由への道は 自己改善でも 自己の目的を
どうにかして満たすことでもなく

189
00:27:04,729 --> 00:27:12,999
自己の目的をきれいさっぱり
手放すことなのです

190
00:27:12,999 --> 00:27:18,309
中には 真の自分に目覚めるとは
個性や人生の楽しみを失うことではないかと

191
00:27:18,309 --> 00:27:20,429
心配する人もいます

192
00:27:20,429 --> 00:27:28,519
実際はその逆が真実なのです
魂のユニークな個性化は

193
00:27:28,519 --> 00:27:36,240
条件づけられた自己を乗り越えて
初めて表現できるのです

194
00:27:36,240 --> 00:27:41,649
鋳型の中で眠っているため
殆どの人は 魂が何を表現したいのか

195
00:27:41,649 --> 00:27:57,899
発見できずにいます

196
00:27:57,899 --> 00:28:05,479
三昧への道には瞑想がかかわり
それは条件づけられ 変化する自己を観察し

197
00:28:05,479 --> 00:28:14,429
変わることのないあなたの本質を
悟ることでもあります

198
00:28:14,429 --> 00:28:22,450
自己の内の動かぬポイント 
つまり存在の源に到達したら

199
00:28:22,450 --> 00:28:28,100
外界をどう変えるべきか主張せず
さらに待ちます

200
00:28:28,100 --> 00:28:38,429
自己の意志でなく さらに高い意思が成るよう
身を任せるのです

201
00:28:38,429 --> 00:28:43,649
もしマインドが外界を変えて 道がこうある
べきだというある考えを確認しようとするなら

202
00:28:43,649 --> 00:28:49,299
鏡に映った影を操作して
鏡のイメージを変えようとする

203
00:28:49,299 --> 00:28:51,940
ようなものです

204
00:28:51,940 --> 00:28:58,330
鏡のイメージに微笑ませるには 明らかに
鏡に映った影を操作できません

205
00:28:58,330 --> 00:29:05,590
鏡の影の本物の源であるあなたに
気付かなければいけません

206
00:29:05,590 --> 00:29:11,229
いったん本物の自己に気づくと
外界の何かを変える必要があると

207
00:29:11,229 --> 00:29:13,860
いう意味ではありません

208
00:29:13,860 --> 00:29:20,789
変わるのは意識であり知性であり
内なるエネルギー つまり生命力なのです

209
00:29:20,789 --> 00:29:30,019
生命力が条件づけられたパターンから解放され
魂の指示を受けられるようになるのです

210
00:29:30,019 --> 00:29:35,210
魂の目的に気づけるのは

211
00:29:35,210 --> 00:29:58,269
条件づけられた自己とその果てしない追及を
見ながら その追及を手放せるときだけです

212
00:29:58,269 --> 00:30:03,590
ギリシャ神話では 神々がシーシュポスに
無意味な作業を永遠に繰り返すよう

213
00:30:03,590 --> 00:30:06,529
罰を与えたと伝えられています

214
00:30:06,529 --> 00:30:12,010
その作業とは岩を山頂へ押し上げるのですが
岩はまた麓へ転がり落ちるのでした

215
00:30:12,010 --> 00:30:24,830
フランスの実存主義者であり

216
00:30:24,830 --> 00:30:31,609
ノーベル賞受賞作家 アルベール・カミュは
シーシュポスの境遇を

217
00:30:31,609 --> 00:30:35,399
人類の比喩と見なしました

218
00:30:35,399 --> 00:30:47,009
カミュは問いました　「このばかげた存在に
どんな意味を見出せるのか?」

219
00:30:47,009 --> 00:30:55,389
人類は決して訪れぬ明日を築こうと
果てしなく労苦し

220
00:30:55,389 --> 00:31:09,289
そして死んでゆきます

221
00:31:09,289 --> 00:31:15,629
この真実を本当に悟れば
利己的なペルソナにつくなら気が狂うか

222
00:31:15,629 --> 00:31:32,700
あるいは目覚めれば自由になるでしょう

223
00:31:32,700 --> 00:31:37,809
外でもがいても決してうまく行きません
それは単に私たちの内なる世界を

224
00:31:37,809 --> 00:31:39,789
反映しているだけですから

225
00:31:39,789 --> 00:31:45,759
利己的な自我が 無益な追及を通して
目覚めに完全に失敗すると

226
00:31:45,759 --> 00:32:15,090
宇宙の冗談 状況のばかばかしさが
明らかになります

227
00:32:15,090 --> 00:32:23,700
禅にはこういう格言があります
「悟りの前は 薪を割り を汲み

228
00:32:23,700 --> 00:32:35,019
悟りの後は 薪を割り 水を汲む」

229
00:32:35,019 --> 00:32:41,019
悟る前に 人は丘の上へボールを
転がしていかなければなりませんが

230
00:32:41,019 --> 00:32:44,840
悟った後も ボールを丘の上へ
転がさねばなりません

231
00:32:44,840 --> 00:32:47,450
何が変わったのでしょう？

232
00:32:47,450 --> 00:32:51,749
内側の抵抗が現状に変わるのです

233
00:32:51,749 --> 00:32:58,679
あがきを放棄する というより
あがいていた人が幻影だと

234
00:32:58,679 --> 00:33:00,929
気づくのです

235
00:33:00,929 --> 00:33:14,649
個人または個人のマインドが 聖なる意思
またはさらに上のマインドと同調するのです

236
00:33:14,649 --> 00:33:27,690
三昧とは究極的に内側の抵抗を放棄すること
移り変わる現象すべてに

237
00:33:27,690 --> 00:33:28,879
例外なく

238
00:33:28,879 --> 00:33:36,409
回りの状況にかかわらず
内なる平安を悟れる人は

239
00:33:36,409 --> 00:33:39,190
本当の三昧を持っています

240
00:33:39,190 --> 00:33:45,070
あなたが抵抗をやめるのは
ある事を容認するからではなく

241
00:33:45,070 --> 00:33:50,179
自由を外側の条件に左右されないようにするためです

242
00:33:50,179 --> 00:33:57,580
ここで注意するべきなのは 現実をあるがまま
受け入れるとき それは世界で行動を

243
00:33:57,580 --> 00:34:04,169
起こすのを止めるという意味ではありません
でないと瞑想をする事なかれ主義者になります

244
00:34:04,169 --> 00:34:10,330
実はその逆が真なのです
動機に駆られて行動しなくてもよくなれば

245
00:34:10,330 --> 00:34:17,300
道にそって
ある限りのエネルギーを用い

246
00:34:17,300 --> 00:34:30,030
全力で行動できるようになります

247
00:34:30,030 --> 00:34:35,810
世界を変えて平和をもたらすためには

248
00:34:35,810 --> 00:34:39,899
敵と見られるものと戦う必要があると
大勢が議論するでしょう

249
00:34:39,899 --> 00:34:48,659
平和のために戦うのは 沈黙のために叫ぶ
ようなもので 望まないものをさらに生みます

250
00:34:48,659 --> 00:34:55,489
最近は色々なことに戦いがあります
テロとの戦い　病気との戦い

251
00:34:55,489 --> 00:35:00,540
飢えとの戦い

252
00:35:00,540 --> 00:35:13,369
あらゆる戦いは 実は自己との戦いなのです

253
00:35:13,369 --> 00:35:17,150
戦いは 集団の妄想の一部なのです

254
00:35:17,150 --> 00:35:23,400
私たちは平和が欲しいと言いますが
戦争に携わる指導者を選出し続け

255
00:35:23,400 --> 00:35:29,400
人権を支持すると言いながら
労働搾取工場で作られた製品を

256
00:35:29,400 --> 00:35:31,960
買い続けます

257
00:35:31,960 --> 00:35:36,309
クリーンな空気が欲しいと言いますが
汚染し続けます

258
00:35:36,309 --> 00:35:42,660
科学にがん治療を望みながら
自分を病気に陥れるような

259
00:35:42,660 --> 00:35:45,670
自滅的な習慣を変えようとしません

260
00:35:45,670 --> 00:35:50,589
より良い人生を奨励していると
自分を欺いているのです

261
00:35:50,589 --> 00:35:57,569
苦しみや殺戮を容認している
隠れた自分を見たくないのです

262
00:35:57,569 --> 00:36:06,690
がんや飢え、テロまたは 何であれ自分の考えや行動からできた敵との戦いに勝てるという

263
00:36:06,690 --> 00:36:13,030
思い込みは 実は 
地球における暮らし方を変えなくてもいいと

264
00:36:13,030 --> 00:36:18,589
自分自身を欺き続けるのです

265
00:36:18,589 --> 00:36:23,700
内側の世界がまず革命を起こす必要のあるところなのです

266
00:36:23,700 --> 00:36:30,589
内側で生命が好循環しているのを直接感じて
初めて 外の世界が道と

267
00:36:30,589 --> 00:36:33,950
調和するようになるのです

268
00:36:33,950 --> 00:36:41,990
その時まで 私たちのすることは マインドに
よって既につくられた混乱を悪化させます

269
00:36:41,990 --> 00:36:49,369
戦争と平和は果てない舞い踊りの中で一緒に
起こります　二者は一つの連続体なのです

270
00:36:49,369 --> 00:36:53,029
半分はもう一方が無ければ存在できないのです

271
00:36:53,029 --> 00:36:58,910
光は闇がなければ存在できないように
上は下がなければ存在できないように

272
00:36:58,910 --> 00:37:07,079
この世は闇のない光を 
空を抜きにして満杯を

273
00:37:07,079 --> 00:37:19,770
悲しみを抜きにして喜びを
欲しがっているように見えます

274
00:37:19,770 --> 00:37:38,339
マインドが関わりあえば あうほど
この世は分裂していきます

275
00:37:38,339 --> 00:37:44,430
利己的なマインドから来る解決策はどれも
問題が存在するという考えに駆られており

276
00:37:44,430 --> 00:37:52,950
その解決策は 解決しようとしていた
問題よりもさらに大きな問題に発展します

277
00:37:52,950 --> 00:38:07,540
あなたが抵抗するものは 引き続き存在します

278
00:38:07,540 --> 00:38:14,819
人類の創意工夫は新しい抗生物質を作りますが
大自然はさらに巧妙になり

279
00:38:14,819 --> 00:38:16,839
バクテリアは一段と強くなります

280
00:38:16,839 --> 00:38:24,500
引き続く戦いで最善の努力を払うも
実際 がんはさらに広まるばかり

281
00:38:24,500 --> 00:38:32,740
世界中で飢える人は確実に増えてゆき

282
00:38:32,740 --> 00:38:36,270
テロの攻撃は世界中で増加の一途です

283
00:38:36,270 --> 00:38:45,200
私たちのアプローチは
何が間違っているのでしょう?

284
00:38:45,200 --> 00:38:50,890
ゲーテの詩『魔法使いの弟子』のように
私たちは偉大な力を手にしましたが

285
00:38:50,890 --> 00:38:56,109
その力を使いこなす知恵を
持ち合わせていません

286
00:38:56,109 --> 00:39:03,230
問題は 使っている道具を
私たちは理解していないのです

287
00:39:03,230 --> 00:39:18,010
人のマインドと その適切な役割や目的を
理解していないのです

288
00:39:18,010 --> 00:39:24,130
私たちが考え、感じ、人生を経験する
その限られ、条件づけられた処し方から

289
00:39:24,130 --> 00:39:35,000
危機が生まれます

290
00:39:35,000 --> 00:39:41,510
合理主義が
数ある古代文化の英知を認め経験する能力を

291
00:39:41,510 --> 00:39:48,059
私たちから奪ってしまったのです

292
00:39:48,059 --> 00:39:54,670
利己的な考えが 生命の深遠な神聖さ
生命の輝きを感じ

293
00:39:54,670 --> 00:40:02,760
全く異なるレベルの意識を実現する能力を
奪い去ってしまったのです

294
00:40:02,760 --> 00:40:11,289


295
00:40:11,289 --> 00:40:17,529


296
00:40:17,529 --> 00:40:23,420


297
00:40:23,420 --> 00:40:27,630


298
00:40:27,630 --> 00:40:38,790


299
00:40:38,790 --> 00:40:44,750


300
00:40:44,750 --> 00:40:49,090


301
00:40:49,090 --> 00:40:55,720


302
00:40:55,720 --> 00:41:04,010


303
00:41:04,010 --> 00:41:05,940


304
00:41:05,940 --> 00:41:15,170


305
00:41:15,170 --> 00:41:26,030


306
00:41:26,030 --> 00:41:27,319


307
00:41:27,319 --> 00:41:32,710


308
00:41:32,710 --> 00:41:42,390


309
00:41:42,390 --> 00:41:48,579


310
00:41:48,579 --> 00:42:02,250


311
00:42:02,250 --> 00:42:06,110


312
00:42:06,110 --> 00:42:12,779


313
00:42:12,779 --> 00:42:19,450


314
00:42:19,450 --> 00:42:24,869


315
00:42:24,869 --> 00:42:32,380


316
00:42:32,380 --> 00:42:34,869


317
00:42:34,869 --> 00:42:42,500


318
00:42:42,500 --> 00:42:45,420


319
00:42:45,420 --> 00:42:53,859


320
00:42:53,859 --> 00:43:00,410


321
00:43:00,410 --> 00:43:08,240


322
00:43:08,240 --> 00:43:15,849


323
00:43:15,849 --> 00:43:21,480


324
00:43:21,480 --> 00:43:23,710


325
00:43:23,710 --> 00:43:30,400


326
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