1 00:00:01,595 --> 00:00:03,522 世界中の多くの人々が そうだったように 2 00:00:03,542 --> 00:00:05,525 今年の夏 私と友人達は 3 00:00:06,525 --> 00:00:08,643 女子ワールドカップフランスに 夢中でした 4 00:00:08,667 --> 00:00:11,770 私達が見守る中 優秀なアスリート達が 5 00:00:11,770 --> 00:00:15,315 爽快なゴールをいくつも決め 反則もなく それでいて手に汗握る試合でした 6 00:00:15,315 --> 00:00:17,893 一方で 競技場の外では同じ選手達が 7 00:00:17,917 --> 00:00:20,232 報酬の平等を訴えていました 8 00:00:20,302 --> 00:00:23,518 国によっては それ以前の問題で 報酬自体を出せという話でした 9 00:00:23,542 --> 00:00:27,323 熱中していた私達は 試合をリアルタイムで見たいので 10 00:00:27,323 --> 00:00:30,995 国内で放映されていた スペイン語チャンネルで 11 00:00:30,995 --> 00:00:33,073 観戦しようということになりました 12 00:00:33,097 --> 00:00:35,851 そこで 試合をいくつか見ているうちに 13 00:00:35,875 --> 00:00:38,393 ふと友人の1人が言いました 14 00:00:38,417 --> 00:00:40,559 「なんだか 化粧品や洗剤や 15 00:00:40,583 --> 00:00:44,073 ダイエット関連商品のCMばかり 見ている気がする」 16 00:00:44,847 --> 00:00:46,768 確かにその通りだと思いました 17 00:00:46,792 --> 00:00:49,188 それが 私達の気にし過ぎなのか 18 00:00:49,198 --> 00:00:52,077 男性達と見ていたせいなのかは わかりませんが 19 00:00:52,098 --> 00:00:54,534 CMのターゲットが女性だということが 20 00:00:54,558 --> 00:00:57,226 あからさますぎると感じました 21 00:00:57,250 --> 00:01:00,809 それが必ずしも間違っている というわけではありません 22 00:01:00,833 --> 00:01:04,018 誰かが試合を見て言いました 23 00:01:04,032 --> 00:01:07,502 「これは女性が見ることを 想定してるんだろうね 24 00:01:07,512 --> 00:01:10,601 ヒスパニック系女性が出てるのは スペイン語チャンネルだからだし 25 00:01:10,625 --> 00:01:11,893 女性の試合だからだね 26 00:01:11,917 --> 00:01:15,268 つまり女性に絞ったCMだけ流すには 27 00:01:15,292 --> 00:01:18,393 ちょうどいい場所ってことだろうね」 28 00:01:18,417 --> 00:01:20,391 マーケティング担当者としての私は 29 00:01:20,435 --> 00:01:22,768 この現象が仕方ないことだと よくわかっていました 30 00:01:22,792 --> 00:01:26,059 マーケター達は 課された仕事をしているだけです 31 00:01:26,083 --> 00:01:29,726 予算がごく限られている状況で ブランディングしなければならないため 32 00:01:29,750 --> 00:01:32,184 ターゲットとなりうる人々を いっしょくたに 33 00:01:32,208 --> 00:01:34,184 分類したくなるのです 34 00:01:34,208 --> 00:01:36,059 より早くターゲットを絞るためです 35 00:01:36,083 --> 00:01:37,434 これは言ってみれば 36 00:01:37,458 --> 00:01:38,934 近道のようなものです 37 00:01:38,958 --> 00:01:42,485 ターゲットとする消費者への 近道として性別分類をするのです 38 00:01:43,292 --> 00:01:47,266 一見 合理的そうな理屈ですが 問題があります 39 00:01:47,274 --> 00:01:50,583 性別分類は実際は 有効な近道ではありません 40 00:01:50,583 --> 00:01:53,419 今この時代に 盲目的に性別分類を使った 41 00:01:53,433 --> 00:01:55,393 マーケティングをしているとしたら 42 00:01:55,417 --> 00:01:57,542 はっきり言って愚策です 43 00:01:58,333 --> 00:02:01,893 広告で男女のステレオタイプを 強調すること以前の問題です 44 00:02:01,917 --> 00:02:05,101 それはそれで非難の的に なっている現実の課題なのですが 45 00:02:05,125 --> 00:02:08,434 それとは別に 性別の分類が なぜ愚策かというと 46 00:02:08,458 --> 00:02:10,146 お金の無駄遣いだからです 47 00:02:10,160 --> 00:02:12,376 性別というものは 消費者を絞るのも 48 00:02:12,406 --> 00:02:15,268 ターゲティングするのも 論ずるのも簡単すぎるため 49 00:02:15,292 --> 00:02:17,601 自社のブランドを通して 事業を成長させる 50 00:02:17,625 --> 00:02:19,851 他の有益な要素から 目を逸らしてしまいます 51 00:02:19,875 --> 00:02:21,184 そして同時に 52 00:02:21,208 --> 00:02:23,851 男女間に隔たりをつくり続け 53 00:02:23,875 --> 00:02:25,643 ステレオタイプを増長します 54 00:02:25,667 --> 00:02:28,851 つまり性別中心のマーケティングは ビジネスに有害であり 55 00:02:28,875 --> 00:02:31,125 社会的害悪でもある 二重の不幸なのです 56 00:02:31,875 --> 00:02:34,255 今まで性別は他の統計分類と同じく 57 00:02:34,255 --> 00:02:38,101 マーケティングにおける 有効な近道とされてきました 58 00:02:38,125 --> 00:02:39,726 ですがいつの間にか私達は 59 00:02:39,750 --> 00:02:42,707 本質的には ターゲットとする ニーズの中心は 60 00:02:42,724 --> 00:02:46,976 料理や掃除 身だしなみ 車やスポーツなどであることを忘れて 61 00:02:47,000 --> 00:02:48,726 すべてをいっしょくたにしてしまい 62 00:02:48,750 --> 00:02:50,851 男女を区別しさえすればいい ということにして 63 00:02:50,875 --> 00:02:53,476 それに慣れてしまい 疑問すら持たなくなったのです 64 00:02:53,524 --> 00:02:55,447 実に興味深いというか 65 00:02:55,607 --> 00:02:57,851 私が無茶苦茶だなと思うのは 66 00:02:57,875 --> 00:03:00,393 いまだに こんな分類方法が 通用していることです 67 00:03:00,407 --> 00:03:03,362 過去から踏襲した偏見と言っても 差し支えないくらいです 68 00:03:03,625 --> 00:03:06,434 裏付けもなく そう発言しているわけではありません 69 00:03:06,458 --> 00:03:10,226 ブランドの設計やターゲット設定を 行うにあたって まず性別を見るのは 70 00:03:10,250 --> 00:03:13,684 賢明ではないということを示す データは十分にあります 71 00:03:13,708 --> 00:03:15,726 更に踏み込んで説明すると 72 00:03:15,750 --> 00:03:20,226 よほど性別に特化した 製品カテゴリーでないかぎり 73 00:03:20,250 --> 00:03:21,559 おそらく性別は 74 00:03:21,583 --> 00:03:24,143 消費者を想定する材料となる 他のどの分類と比べても 75 00:03:24,167 --> 00:03:26,083 最も役に立たない分類方法です 76 00:03:27,917 --> 00:03:30,851 この結論は わざわざ 証明しようとしたものではありません 77 00:03:30,875 --> 00:03:32,143 偶然発見されたものです 78 00:03:32,167 --> 00:03:34,643 コンサルティングとは 79 00:03:34,667 --> 00:03:36,143 顧客のビジネスを理解し 80 00:03:36,167 --> 00:03:39,684 顧客のブランドが成長する 機会を見つけることです 81 00:03:39,708 --> 00:03:44,059 そして私たちの信条は 顧客が劇的な成長を遂げたければ 82 00:03:44,083 --> 00:03:45,851 消費者に対する考え方を 83 00:03:45,875 --> 00:03:48,101 白紙に戻して臨むべきであるというものです 84 00:03:48,115 --> 00:03:51,683 偏見を捨て 今まで意味があると 考えていた分類方法を捨て 85 00:03:51,717 --> 00:03:54,809 どこに成長の余地があるかを ゼロの状態から 86 00:03:54,833 --> 00:03:57,809 探さなければいけません 87 00:03:57,833 --> 00:04:00,768 私達はそれに特化した アルゴリズムを開発しました 88 00:04:00,792 --> 00:04:03,351 例えば ある人が 89 00:04:03,375 --> 00:04:05,643 製品やサービスについて 90 00:04:05,667 --> 00:04:07,601 何か選択をするとして 91 00:04:07,625 --> 00:04:10,684 その人に関する情報には 性別はもちろんですが 92 00:04:10,708 --> 00:04:13,934 住んでいる場所や収入など 他の分類情報があります 93 00:04:13,958 --> 00:04:17,143 その人が下す選択の背景情報には 94 00:04:17,167 --> 00:04:19,184 その時どこに誰といたかに加え 95 00:04:19,208 --> 00:04:21,018 その時の気分などがありますが 96 00:04:21,042 --> 00:04:23,101 他にも色々な要素を 加えることができます 97 00:04:23,125 --> 00:04:24,476 消費者本人の志向や 98 00:04:24,500 --> 00:04:26,143 分類への反応や行動を 99 00:04:26,167 --> 00:04:27,559 知ることができるのです 100 00:04:27,583 --> 00:04:32,184 このような個人情報を集めた塊から成る ビッグデータをイメージしてください 101 00:04:32,208 --> 00:04:34,268 とても大雑把にいうと 102 00:04:34,292 --> 00:04:37,684 統計情報のトーナメント戦を行う アルゴリズムを構築したのです 103 00:04:37,708 --> 00:04:42,143 これはつまり 巨大なデータに対して こう聞くようなものです 104 00:04:42,167 --> 00:04:46,768 「データさん あなたが現時点で 消費者について知っている全ての情報のうち 105 00:04:46,792 --> 00:04:49,476 消費者のニーズについて より多くを教えてくれて 106 00:04:49,500 --> 00:04:52,518 最も役に立つ要素は何ですか?」 107 00:04:52,542 --> 00:04:54,941 トーナメントには勝者と敗者がいます 108 00:04:54,955 --> 00:04:56,283 勝者となるのは 109 00:04:56,283 --> 00:04:59,423 消費者について多くの情報を与えてくれ 110 00:04:59,457 --> 00:05:02,184 ニーズの把握に役立つような 要素や切り口です 111 00:05:02,208 --> 00:05:05,184 実用性で劣る要素は敗者となります 112 00:05:05,208 --> 00:05:08,268 この選別は重要です 予算とは限りがあるものなので 113 00:05:08,300 --> 00:05:11,749 蓋を開けてみればニーズが同じなのに わざわざ資金を費やして 114 00:05:11,773 --> 00:05:13,893 アプローチ方法を分けるのは 無意味ですからね 115 00:05:13,917 --> 00:05:16,478 ここまでくれば 展開はお分かりですよね 116 00:05:16,482 --> 00:05:18,434 先ほどお教えしたばかりですから 117 00:05:18,458 --> 00:05:20,893 とにかく 私達が発見したのは 118 00:05:20,917 --> 00:05:25,434 20ヶ国以上で 200のプロジェクトを行い 119 00:05:25,458 --> 00:05:29,309 統計情報のトーナメントを 十万回程度 実施した結果 120 00:05:29,333 --> 00:05:34,393 ご想像通り 性別分類が消費者の ニーズ把握に最適な予測値となるのは 121 00:05:34,417 --> 00:05:36,167 ごく稀だということです 122 00:05:37,292 --> 00:05:39,184 約十万回のトーナメントのうち 123 00:05:39,208 --> 00:05:41,601 性別分類が勝者の要素として 判定されたのは 124 00:05:41,625 --> 00:05:43,235 ほんの5%程度でした 125 00:05:43,958 --> 00:05:46,018 ところで これは世界中で共通の真実です 126 00:05:46,042 --> 00:05:48,819 伝統的な性役割が 比較的はっきり異なる地域でも 127 00:05:48,833 --> 00:05:50,934 同じことを実施してみましたが 128 00:05:50,958 --> 00:05:53,018 結果は全く同じでした 129 00:05:53,042 --> 00:05:55,676 性別の重要度は5%を少し上回りましたが 130 00:05:55,676 --> 00:05:57,104 要素としては使えません 131 00:05:57,116 --> 00:05:59,476 この事実から何が言えるかというと 132 00:05:59,500 --> 00:06:01,851 どんな視点から消費者分析を行おうと 133 00:06:01,875 --> 00:06:06,226 他のいかなる分類も 性別よりは 有用となる可能性が高いということです 134 00:06:06,250 --> 00:06:09,643 何かしら 消費者を知るために 重要な情報があるはずなのに 135 00:06:09,667 --> 00:06:13,351 全てを性別に紐づけて考えていると 重要な情報から目を逸らしてしまいます 136 00:06:13,375 --> 00:06:15,712 だから お金の無駄遣いだと言ったのです 137 00:06:15,712 --> 00:06:19,059 性別は簡単です 性別に基づいて 広告をデザインするのも 138 00:06:19,083 --> 00:06:23,476 ネットやTVの視聴者を 性別で分けるのも簡単です 139 00:06:23,500 --> 00:06:26,851 でも結局そこから 劇的な成長は生まれません 140 00:06:26,875 --> 00:06:31,101 例えば 食料品会社にとって 重要度が高い要素とは 141 00:06:31,125 --> 00:06:34,726 消費者がどこで食事するのか 誰と食事するのか 142 00:06:34,750 --> 00:06:37,184 栄養バランスに気をつけているかなどです 143 00:06:37,208 --> 00:06:40,934 こういった要素のどれもが 性別を知るよりも 144 00:06:40,958 --> 00:06:43,393 遥かに有効で実用的なのです 145 00:06:43,417 --> 00:06:44,809 分類の選択は重要です 146 00:06:44,833 --> 00:06:48,101 限られた予算を注いで マーケティング活動を行うのですから 147 00:06:48,125 --> 00:06:51,444 女性と若い男性で分けるより 利用目的別のソリューションを 148 00:06:51,468 --> 00:06:53,375 考えるほうがよいでしょう 149 00:06:54,917 --> 00:06:57,226 もう1つの例はアルコール飲料です 150 00:06:57,250 --> 00:07:00,601 世界中のアルコール消費者の35~45%は 151 00:07:00,625 --> 00:07:02,768 実は女性なのですが 152 00:07:02,792 --> 00:07:05,368 「女性はビールを飲まない」などと 153 00:07:05,392 --> 00:07:07,513 よく言われがちです 154 00:07:08,583 --> 00:07:12,601 ですが実際には ほとんどの場合 同じ状況下で男女が抱き得る 155 00:07:12,625 --> 00:07:15,559 感情的欲求や生理的な欲求は 156 00:07:15,583 --> 00:07:17,143 とても似通っています 157 00:07:17,167 --> 00:07:19,268 ただ 1つだけ例外があります 158 00:07:19,292 --> 00:07:21,059 そう 例外はあるんです 159 00:07:21,083 --> 00:07:24,143 デート中の男女などがそうです 160 00:07:24,167 --> 00:07:26,518 男性は格好をつけようとして 161 00:07:26,542 --> 00:07:28,851 女性は仲良くなろうとして 162 00:07:28,875 --> 00:07:30,425 自然体ではなくなるからです 163 00:07:30,425 --> 00:07:31,921 そういう例外もあると 164 00:07:31,921 --> 00:07:33,041 理解しておきましょう 165 00:07:33,856 --> 00:07:36,976 金融の分野においても 男女の違いが 166 00:07:37,000 --> 00:07:39,059 頻繁に語られますが 167 00:07:39,083 --> 00:07:41,601 実際には 男女を 違うものとして論ずることで 168 00:07:41,625 --> 00:07:44,226 背後にある要素から 目が逸れてしまいます 169 00:07:44,250 --> 00:07:47,476 非常にざっくりと 「女性は投資が好きでない」 170 00:07:47,500 --> 00:07:49,184 「女性は資金運用が嫌いだ」 171 00:07:49,208 --> 00:07:51,601 「男性はリスクに積極的だ」 などと言われますが 172 00:07:51,625 --> 00:07:53,768 本質は 男か女かではなく 173 00:07:53,792 --> 00:07:55,601 別のところにあります 174 00:07:55,625 --> 00:08:01,143 ようは 資産運用に関して 興味や余裕や知識を持っている人か 175 00:08:01,160 --> 00:08:02,934 そうでないかの違いです 176 00:08:02,958 --> 00:08:04,684 ですから 議論を 177 00:08:04,708 --> 00:08:07,518 男女差の話から 本質的なものへ移せば 178 00:08:07,542 --> 00:08:10,851 女性を侮るような見方も おそらく改まるでしょうし 179 00:08:10,875 --> 00:08:12,559 投資に対して身構えている男性も 180 00:08:12,583 --> 00:08:15,194 顧客に変えられるかもしれません 181 00:08:15,667 --> 00:08:17,268 もう1つ例を挙げましょう 182 00:08:17,292 --> 00:08:20,476 最初に話した女性アスリートの話に戻ると 183 00:08:20,500 --> 00:08:24,101 スポーツ用品について 調査を行ったところ 184 00:08:24,125 --> 00:08:26,434 色々な国で共通していた 興味深い発見の1つは 185 00:08:26,458 --> 00:08:28,518 競争心のある人が 186 00:08:28,542 --> 00:08:30,768 体を動かしている その最中は 187 00:08:30,792 --> 00:08:33,393 ニーズに男女の差は ないということです 188 00:08:33,417 --> 00:08:34,726 アスリートはアスリートです 189 00:08:34,750 --> 00:08:37,323 男性でも女性でも 若年でも年配でも 190 00:08:37,323 --> 00:08:38,672 アスリートには変わらず 191 00:08:38,672 --> 00:08:41,427 厳しい競争下で戦っている人であれば 192 00:08:41,427 --> 00:08:43,538 役に立つスポーツ用品が 必要なのです 193 00:08:43,538 --> 00:08:47,309 サッカーの女性選手と 男性選手には多くの共通点があります 194 00:08:47,333 --> 00:08:49,143 競技場の外の話は関係ありません 195 00:08:49,167 --> 00:08:51,120 服装や趣味など 人それぞれですが 196 00:08:51,150 --> 00:08:54,461 競技場ではニーズに男女差はありません 197 00:08:54,585 --> 00:08:55,742 ご紹介してきたのは 198 00:08:55,742 --> 00:09:01,226 性別分類が最適ではないと私達が特定した 数々の分野のほんの数例です 199 00:09:01,250 --> 00:09:02,775 ここでの論点は 200 00:09:02,775 --> 00:09:05,734 フェミニズムを推進しよう という話でもなんでもありません 201 00:09:05,738 --> 00:09:08,961 私達が性別分類に慣れてしまっている というだけの話です 202 00:09:09,005 --> 00:09:12,018 この状態から脱却し 逆戻りしないために 203 00:09:12,042 --> 00:09:14,226 消費者に関する 性別以外の測定項目を 204 00:09:14,250 --> 00:09:16,515 探し始めることが重要です 205 00:09:16,618 --> 00:09:18,018 私は現実派ですから 206 00:09:18,042 --> 00:09:22,101 まだ 性別分類を使いたいと感じたり 使いやすいと思う気持ちはわかりますが 207 00:09:22,125 --> 00:09:24,132 是非を議論すべきなのは 明らかですよね 208 00:09:24,132 --> 00:09:26,101 ビジネスにおいては 性別分類が 209 00:09:26,125 --> 00:09:29,101 成長のための視点として 本当に最適なのかを問うべきです 210 00:09:29,125 --> 00:09:32,643 ですから もしあなたが私みたいに ビジネスに身を置き 211 00:09:32,667 --> 00:09:36,643 社会で起きている さらに広い議論での 自分の役割は何なのか 212 00:09:36,667 --> 00:09:39,726 そんなことが常に気になる人間なら 213 00:09:39,750 --> 00:09:42,726 ご自分のビジネスの中で こんな会話を耳にしたら要注意です 214 00:09:42,750 --> 00:09:44,893 「私のターゲットは女性だ 私のは男性だ」 215 00:09:44,917 --> 00:09:47,601 「これは女児向けだ 男児向けだ」 216 00:09:47,625 --> 00:09:49,518 このような性別の会話になっていたら 217 00:09:49,542 --> 00:09:51,059 さっきも言ったような 218 00:09:51,083 --> 00:09:55,226 よほど性別に特化した 特殊な製品カテゴリなら別ですが 219 00:09:55,250 --> 00:09:56,726 危険だと思ってください 220 00:09:56,750 --> 00:09:59,601 まず こんな会話を続けていれば 221 00:09:59,625 --> 00:10:02,143 ステレオタイプや 男と女は違うのだという考えを 222 00:10:02,167 --> 00:10:04,681 ひたすら助長することになりますし 223 00:10:04,681 --> 00:10:06,630 さらに ここではビジネスの話をしていて 224 00:10:06,630 --> 00:10:08,389 それを成長させたいという話なので 225 00:10:08,389 --> 00:10:11,416 性別分類を使いたくなる衝動に 少なくとも抗ってください 226 00:10:11,416 --> 00:10:15,393 性別はおそらくサービスや製品の ターゲット選定に最適な指標ではないと 227 00:10:15,417 --> 00:10:17,309 統計からわかっているからです 228 00:10:17,333 --> 00:10:19,559 成長は全くもって簡単なことではありません 229 00:10:19,583 --> 00:10:21,934 性別分類のような時代遅れの視点が 230 00:10:21,958 --> 00:10:25,351 消費者市場で有効だと思う 根拠がわかりません 231 00:10:25,375 --> 00:10:28,059 易しきへ流れるのをやめ 正しきへ進みましょう 232 00:10:28,083 --> 00:10:31,601 それはビジネスだけでなく 社会にも良いことなのですから 233 00:10:31,625 --> 00:10:33,018 ありがとうございました 234 00:10:33,042 --> 00:10:36,042 (拍手)