[Script Info] Title: [Events] Format: Layer, Start, End, Style, Name, MarginL, MarginR, MarginV, Effect, Text Dialogue: 0,0:00:06.78,0:00:10.98,Default,,0000,0000,0000,,1943年 連合国軍の飛行機が\Nナチス治下のドイツ上空に舞い Dialogue: 0,0:00:10.98,0:00:14.30,Default,,0000,0000,0000,,何万枚というビラを撒きました Dialogue: 0,0:00:14.30,0:00:18.77,Default,,0000,0000,0000,,ビラは匿名のドイツ人により制作されたもので\Nヒトラーを追放しよう Dialogue: 0,0:00:18.77,0:00:22.53,Default,,0000,0000,0000,,未来のために死闘し\N希望を持ち続けようと強く訴えるものでした Dialogue: 0,0:00:22.53,0:00:25.60,Default,,0000,0000,0000,,この呼び掛けは\N家庭や職場にさざ波のように伝わり Dialogue: 0,0:00:25.60,0:00:29.72,Default,,0000,0000,0000,,強制収容所や刑務所にまで\N行き渡りました Dialogue: 0,0:00:29.72,0:00:33.99,Default,,0000,0000,0000,,ビラの制作者が何者で どんな背景を持ち\Nいかに悲劇的な運命をたどったか Dialogue: 0,0:00:33.99,0:00:38.08,Default,,0000,0000,0000,,戦後まで\N知られることはありませんでした Dialogue: 0,0:00:38.08,0:00:40.76,Default,,0000,0000,0000,,その10年前に\Nヒトラーが覇権を握ったとき Dialogue: 0,0:00:40.76,0:00:44.94,Default,,0000,0000,0000,,ハンスとゾフィー・ショルは\Nフォルヒテンベルクに住む10代の若者でした Dialogue: 0,0:00:44.94,0:00:47.57,Default,,0000,0000,0000,,当時\N恐怖、プロパガンダ、監視の目が Dialogue: 0,0:00:47.57,0:00:51.57,Default,,0000,0000,0000,,ショル家や何百人のドイツ人の生活の\Nあらゆる部分を侵していました Dialogue: 0,0:00:51.57,0:00:53.49,Default,,0000,0000,0000,,ナチの支配が及んでいたのです Dialogue: 0,0:00:53.49,0:00:56.07,Default,,0000,0000,0000,,ナチス・ドイツは\N特に若者を標的にし Dialogue: 0,0:00:56.07,0:01:00.72,Default,,0000,0000,0000,,若者の行動を規制し\N思想を監視する機関を設立しました Dialogue: 0,0:01:00.72,0:01:03.67,Default,,0000,0000,0000,,10代だったハンスは\Nヒトラーユーゲントのメンバーで Dialogue: 0,0:01:03.67,0:01:07.01,Default,,0000,0000,0000,,ゾフィーはドイツ女子同盟に\N加盟していました Dialogue: 0,0:01:07.01,0:01:08.57,Default,,0000,0000,0000,,ハンスは高い地位を得て Dialogue: 0,0:01:08.57,0:01:12.39,Default,,0000,0000,0000,,若者の訓練と教化を監督する役目を\N担いました Dialogue: 0,0:01:12.39,0:01:17.11,Default,,0000,0000,0000,,1936年には 全国党大会の旗手に\N抜擢されました Dialogue: 0,0:01:17.11,0:01:19.64,Default,,0000,0000,0000,,しかし ナチの\N狂気を帯びた美辞麗句に触れ Dialogue: 0,0:01:19.64,0:01:22.68,Default,,0000,0000,0000,,初めて彼は疑念を抱きました Dialogue: 0,0:01:22.68,0:01:27.22,Default,,0000,0000,0000,,一方 ゾフィーもまた与えられる情報に\N疑いを持ち始めました Dialogue: 0,0:01:27.22,0:01:29.35,Default,,0000,0000,0000,,両親のローベルトとマグダレーネは 元々 Dialogue: 0,0:01:29.35,0:01:32.44,Default,,0000,0000,0000,,ナチのイデオロギーによって\N我が子を失うこと恐れていて Dialogue: 0,0:01:32.44,0:01:34.54,Default,,0000,0000,0000,,子どもたちが疑念を強める方向に\N導きました Dialogue: 0,0:01:34.54,0:01:38.25,Default,,0000,0000,0000,,家で ローベルトとマグダレーネは\N他の国のラジオ局の放送を聞きました Dialogue: 0,0:01:38.25,0:01:42.14,Default,,0000,0000,0000,,ナチス・ドイツが初めは非ドイツ的だと主張し\N後に禁止した行為です Dialogue: 0,0:01:42.14,0:01:46.86,Default,,0000,0000,0000,,ドイツ国内では 国営放送が大々的に\Nナチの残虐行為を否定していたのですが Dialogue: 0,0:01:46.86,0:01:49.58,Default,,0000,0000,0000,,ショル家は衝撃的な真実を\N知ることになりました Dialogue: 0,0:01:49.58,0:01:53.71,Default,,0000,0000,0000,,しかし 一家は ナチス・ドイツの支配下から\N逃れられずにいました Dialogue: 0,0:01:53.71,0:01:55.24,Default,,0000,0000,0000,,開戦後 Dialogue: 0,0:01:55.24,0:01:58.02,Default,,0000,0000,0000,,ゾフィーはいやいやながら\N国家のために働き Dialogue: 0,0:01:58.02,0:02:02.79,Default,,0000,0000,0000,,ハンスはミュンヘンの医学校に通いながら\N軍務に服さなければなりませんでした Dialogue: 0,0:02:02.79,0:02:08.95,Default,,0000,0000,0000,,医学校で ハンスは C・プロープスト、\NW・グラーフ、A・シュモレルと出会いました Dialogue: 0,0:02:08.95,0:02:12.48,Default,,0000,0000,0000,,日を追うごとにナチのイデオロギーが\N不気味なものに感じられるようになり Dialogue: 0,0:02:12.48,0:02:14.42,Default,,0000,0000,0000,,医学生たちは意見を述べたいと\N切望しました Dialogue: 0,0:02:14.42,0:02:18.69,Default,,0000,0000,0000,,でも 誰が味方かわからない時節において\Nどうすれば意見を拡散できるのでしょう? Dialogue: 0,0:02:18.69,0:02:22.34,Default,,0000,0000,0000,,そこで彼らは 名前を隠して\N反政府活動をすることにしました Dialogue: 0,0:02:22.34,0:02:25.00,Default,,0000,0000,0000,,自分たちのお金を出し合い\N印刷機を購入しました Dialogue: 0,0:02:25.00,0:02:28.00,Default,,0000,0000,0000,,知り合いが自分のアトリエの地下室を\N提供してくれ Dialogue: 0,0:02:28.00,0:02:31.30,Default,,0000,0000,0000,,秘密裏に メッセージの作成作業が\N始まりました Dialogue: 0,0:02:31.30,0:02:37.31,Default,,0000,0000,0000,,1942年6月 謎に包まれた反ナチのビラが\Nミュンヘンの随所に現れ始めました Dialogue: 0,0:02:37.31,0:02:40.21,Default,,0000,0000,0000,,ビラには\N「白いバラ」という署名がありました Dialogue: 0,0:02:40.21,0:02:42.22,Default,,0000,0000,0000,,最初のビラは ヒトラーを非難し Dialogue: 0,0:02:42.22,0:02:45.31,Default,,0000,0000,0000,,ドイツ人に 戦争維持のための労働を\N拒否するよう呼び掛けました Dialogue: 0,0:02:45.31,0:02:47.07,Default,,0000,0000,0000,,「政府の命令に背いて\N抵抗の態度を示そう Dialogue: 0,0:02:47.07,0:02:51.58,Default,,0000,0000,0000,,手遅れになる前に\N冒涜的な軍事力の行使を止めよう Dialogue: 0,0:02:51.58,0:02:54.11,Default,,0000,0000,0000,,最後の1つの都市が瓦礫の山になる前に... Dialogue: 0,0:02:54.11,0:02:57.57,Default,,0000,0000,0000,,この国の最後の1人の若者が\N血を流して死ぬ前に... Dialogue: 0,0:02:57.57,0:03:02.05,Default,,0000,0000,0000,,全ての国民は 自分たちにふさわしい\N政府を持つのだということを忘れるな!」 Dialogue: 0,0:03:02.05,0:03:05.32,Default,,0000,0000,0000,,辛辣な発言が国家反逆罪と\Nみなされることがあった当時において Dialogue: 0,0:03:05.32,0:03:07.55,Default,,0000,0000,0000,,このような文言は 前例を見ませんでした Dialogue: 0,0:03:07.55,0:03:10.58,Default,,0000,0000,0000,,大部分はハンスによる文章でした Dialogue: 0,0:03:10.58,0:03:15.61,Default,,0000,0000,0000,,1942年 兄の活動のことなど何も知らず\Nゾフィーがミュンヘンにやって来ました Dialogue: 0,0:03:15.61,0:03:17.94,Default,,0000,0000,0000,,すぐに学校で\Nビラを目にしました Dialogue: 0,0:03:17.94,0:03:21.18,Default,,0000,0000,0000,,ハンスの部屋で証拠を目にしてようやく Dialogue: 0,0:03:21.18,0:03:23.35,Default,,0000,0000,0000,,ゾフィーは ビラの制作者の\N正体に気づきました Dialogue: 0,0:03:23.35,0:03:28.09,Default,,0000,0000,0000,,驚きはすぐに決意に変わりました\N「私も参加したい」 Dialogue: 0,0:03:28.09,0:03:33.56,Default,,0000,0000,0000,,何年もの間 兄妹の中で渦巻いていた怒りが\N頂点に達しようとする時期だったのです Dialogue: 0,0:03:33.57,0:03:40.33,Default,,0000,0000,0000,,1942年6月から1943年2月まで\Nこの秘密組織の活動はとても活発でした Dialogue: 0,0:03:40.33,0:03:42.37,Default,,0000,0000,0000,,ゲシュタポは手がかりを\N探していましたが Dialogue: 0,0:03:42.37,0:03:45.02,Default,,0000,0000,0000,,「白いバラ」は常に\N慎重に行動していました Dialogue: 0,0:03:45.02,0:03:50.45,Default,,0000,0000,0000,,戦争が激しさを増し 統制が厳しくなり\Nミュンヘンの街は空襲を幾度も受けました Dialogue: 0,0:03:50.45,0:03:53.75,Default,,0000,0000,0000,,そんな中でも「白バラ」は 危険を承知で\N秘密の活動を熱心に行っていました Dialogue: 0,0:03:53.75,0:03:58.20,Default,,0000,0000,0000,,建物に落書きしたり ゲシュタポだらけの\N列車に 果敢に乗車することもありました Dialogue: 0,0:03:58.20,0:04:00.47,Default,,0000,0000,0000,,1942年の冬には Dialogue: 0,0:04:00.47,0:04:04.04,Default,,0000,0000,0000,,ハンスは チェコスロバキア国境まで\N危険を冒して出向き Dialogue: 0,0:04:04.04,0:04:06.34,Default,,0000,0000,0000,,反ナチ抵抗者に会いました Dialogue: 0,0:04:06.34,0:04:09.15,Default,,0000,0000,0000,,1943年2月18日 Dialogue: 0,0:04:09.15,0:04:13.13,Default,,0000,0000,0000,,ゾフィーとハンスは スーツケース1個分の\Nビラを 通っている大学に持ち込みました Dialogue: 0,0:04:13.13,0:04:17.55,Default,,0000,0000,0000,,用務員が彼らの行為に気づき\Nゲシュタポに通報しました Dialogue: 0,0:04:17.55,0:04:19.95,Default,,0000,0000,0000,,兄妹は最初 穏やかに\N関与を否定していましたが Dialogue: 0,0:04:19.95,0:04:24.41,Default,,0000,0000,0000,,警察が1枚残らずビラをかき集め\N空のケースに配置してみたところ Dialogue: 0,0:04:24.41,0:04:27.12,Default,,0000,0000,0000,,ぴったりと収まったのです Dialogue: 0,0:04:27.12,0:04:29.15,Default,,0000,0000,0000,,ハンスとゾフィーは事実を認め Dialogue: 0,0:04:29.15,0:04:33.83,Default,,0000,0000,0000,,直ちに裁判にかけられ\Nギロチンによる死刑を宣告されました Dialogue: 0,0:04:33.83,0:04:39.70,Default,,0000,0000,0000,,過酷な尋問を受けながらも 決して\N共謀者の名を告げることはありませんでした Dialogue: 0,0:04:39.70,0:04:44.56,Default,,0000,0000,0000,,ゾフィーは処刑の前\Nドイツのありさまへの怒りを世に示しました Dialogue: 0,0:04:44.56,0:04:48.03,Default,,0000,0000,0000,,しかし 同時に\N希望のある未来についても語ったのです Dialogue: 0,0:04:48.03,0:04:52.31,Default,,0000,0000,0000,,「正義の運動に\N誰も自分を犠牲にしなければ Dialogue: 0,0:04:52.31,0:04:56.23,Default,,0000,0000,0000,,正義は勝つと信じることなどできますか? Dialogue: 0,0:04:56.23,0:05:00.11,Default,,0000,0000,0000,,こんなに爽やかに晴れた日に\N私は行かなくてはなりませんが Dialogue: 0,0:05:00.11,0:05:03.15,Default,,0000,0000,0000,,私の死などかまうもんですか\N私たちに影響され Dialogue: 0,0:05:03.15,0:05:07.83,Default,,0000,0000,0000,,大勢の人々が目を覚まし\N行動を起こすなら」