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さまよう心を鎮めるには

  • 0:02 - 0:05
    次のことについて考えてみましょう
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    「人間は脳の10%しか使っていない」
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    神経科学者の立場から申し上げると
  • 0:12 - 0:14
    名優モーガン・フリーマンは
  • 0:14 - 0:17
    得意の重々しい口調で
    このセリフを言ったのですが
  • 0:17 - 0:19
    これは完全な間違いです
  • 0:19 - 0:20
    (笑)
  • 0:20 - 0:25
    正しくは 人間は脳の100%を使っています
  • 0:25 - 0:29
    人間の脳はとても効率的で
    エネルギーを必要とする器官です
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    脳の全部を活用することができますが
  • 0:31 - 0:36
    その全てが活用されても
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    情報過多という問題が発生します
  • 0:38 - 0:42
    外界には 脳が処理しきれるよりも
    ずっと多くの情報が溢れています
  • 0:42 - 0:45
    そこでこの情報過多を解決するため
  • 0:45 - 0:47
    進化の過程で解決策が出てきました
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    それは 脳の「注意システム」です
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    私たちは注意を払うことで
  • 0:51 - 0:56
    情報を認識し 選択し
    脳の処理リソースを
  • 0:56 - 0:58
    一部の情報にだけ向けることができます
  • 0:59 - 1:01
    注意は 脳のリーダー的存在であると
    考えられます
  • 1:02 - 1:05
    注意の向けられる先に
    脳の残りの部分もついていきます
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    ある意味で 脳のボスとも言えます
  • 1:08 - 1:09
    この15年
  • 1:10 - 1:12
    私は人間の脳の
    注意システムを研究してきました
  • 1:12 - 1:15
    研究する中で ある一つの問題について
    特に関心を持っています
  • 1:16 - 1:20
    それは もし注意が脳のボスだとすると
  • 1:20 - 1:21
    良いボスか? ということです
  • 1:21 - 1:24
    ちゃんと私たちを導いているのでしょうか
  • 1:24 - 1:28
    この大問題に取り組むのに
    次の3つについて知りたいと思いました
  • 1:28 - 1:32
    1つ目に 注意がどのように
    認識をコントロールしているか
  • 1:33 - 1:35
    2つ目に どうして それがうまくいかず
  • 1:35 - 1:38
    私たちをぼんやりさせたり
    気を散らせたりするのか?
  • 1:39 - 1:42
    3つ目に ぼんやりすることに対して
    何かできるのかー
  • 1:42 - 1:45
    脳を訓練して
    より注意を払えるようになるか
  • 1:45 - 1:51
    つまり 日常での作業に より強い
    安定した注意を向けられるか ということです
  • 1:52 - 1:55
    ここでみなさんに
    我々がこれにどのようにアプローチするか
  • 1:55 - 1:57
    お見せしたいのです
  • 1:57 - 1:59
    とても心に訴えるような例で
  • 1:59 - 2:02
    私たちの注意が
    どう活用されるか示します
  • 2:03 - 2:08
    私がよく知っている人を例に
    説明したいと思います
  • 2:09 - 2:12
    彼は最終的に 私たちの研究の
    多くの協力者のひとりになります
  • 2:13 - 2:15
    これらの協力者にとって
    注意は生死にかかわります
  • 2:16 - 2:18
    例えば医療従事者や
  • 2:18 - 2:19
    消防士
  • 2:19 - 2:22
    兵士や海兵隊員です
  • 2:22 - 2:26
    ここからは海兵隊大尉の
    ジェフ・デイヴィスについてお話します
  • 2:26 - 2:29
    そしてこれからみなさんにお伝えするのは
    ご覧の通り
  • 2:29 - 2:31
    戦地での話ではありません
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    彼はこのとき フロリダで
    橋の上にいました
  • 2:35 - 2:37
    しかし周りを見て
  • 2:37 - 2:39
    きれいな景色を味わったり
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    涼しい海風を感じる代わりに
  • 2:41 - 2:45
    彼は車を飛ばして
    橋から転落することを考えていました
  • 2:46 - 2:51
    そして それを止めるには全力を尽くす
    必要があったと 後日教えてくれました
  • 2:52 - 2:54
    彼は当時
    イラクから帰還したばかりで
  • 2:54 - 2:56
    彼の身体はその橋の上にいたものの
  • 2:56 - 2:59
    心や 注意は
    何千マイルも遠くにあったのです
  • 2:59 - 3:01
    彼は苦悩にとらわれていました
  • 3:02 - 3:04
    不安で 上の空で
  • 3:04 - 3:08
    つらい記憶を持ち
    そして将来への恐怖を感じていました
  • 3:09 - 3:12
    彼が命を絶たなくて
    本当に良かったです
  • 3:13 - 3:16
    彼はリーダーだったので
    苦しんでいるのは自分だけではないと
  • 3:16 - 3:17
    知っていました
  • 3:17 - 3:20
    彼の海兵隊の同僚も
    苦しんでいたでしょう
  • 3:20 - 3:25
    2008年 彼は私たちの それまでにない
    新しいプロジェクトに参加しました
  • 3:25 - 3:30
    私たちは 現役の軍人のための
    マンドフルネス訓練を
  • 3:30 - 3:32
    試し 提供したのです
  • 3:32 - 3:35
    マインドフルネス訓練の内容や
  • 3:35 - 3:37
    研究結果についてお話しする前に
  • 3:37 - 3:41
    まず 脳で注意がどう機能するか
    理解することが重要と思います
  • 3:42 - 3:44
    私たちが研究室で行う
  • 3:44 - 3:49
    注意に関する研究では
    しばしば脳波を記録します
  • 3:49 - 3:52
    脳波を記録するには このような
    面白い格好の帽子を使います
  • 3:52 - 3:56
    水泳帽のようで 電極がついています
  • 3:56 - 4:00
    この電極は脳の電気活動を拾い上げます
  • 4:00 - 4:03
    その時間的正確さは
    1000分の1秒レベルです
  • 4:03 - 4:08
    これにより 私たちは微小ながら検出可能な
    電気的変動を追うことができます
  • 4:09 - 4:14
    またとても正確に
    脳の活動のタイミングを記録できます
  • 4:15 - 4:18
    被験者に
    スクリーンに顔を投影して見せた後
  • 4:18 - 4:21
    およそ170ミリ秒で
  • 4:21 - 4:25
    確かな脳の反応を
    捉えることができます
  • 4:25 - 4:27
    この動きが見られるのは
    頭皮の後ろ側ー
  • 4:27 - 4:31
    顔認識の機能を持つ脳の上の部分です
  • 4:31 - 4:35
    この反応が 脳の顔検出機能として
    確実に かつ
  • 4:35 - 4:37
    ぴったりのタイミングで起こるので
  • 4:37 - 4:40
    私たちはこの脳波成分に名前をつけました
  • 4:40 - 4:42
    N170成分 と呼んでいます
  • 4:42 - 4:45
    そして私たちはこの成分を
    多くの研究で使います
  • 4:45 - 4:50
    注意が認識に対して持つかもしれない影響を
    見ることができます
  • 4:51 - 4:54
    研究室で 私たちが実際に行う
    実験の雰囲気を
  • 4:54 - 4:55
    お見せしましょう
  • 4:55 - 4:58
    まず被験者にこのような画像を見せます
  • 4:58 - 5:02
    顔と風景が重なったものです
  • 5:02 - 5:04
    そして私たちは被験者に
  • 5:04 - 5:08
    このような重複画像を連続で見せて
  • 5:08 - 5:10
    注意に関わる作業をしてもらいます
  • 5:10 - 5:13
    ある実験では 被験者に
    顔の方に注意を向けてもらいます
  • 5:14 - 5:16
    それを確認するため
  • 5:16 - 5:18
    被験者にボタンを押して
  • 5:18 - 5:21
    顔が男性か女性か回答してもらいます
  • 5:21 - 5:22
    別の実験では
  • 5:22 - 5:26
    風景について 屋内か屋外かなどを
    質問します
  • 5:27 - 5:29
    このように
    私たちは注意を操作し
  • 5:29 - 5:32
    被験者が私たちの指示を正しく実行しているか
    確認します
  • 5:33 - 5:36
    注意に関する私たちの仮説は
    次のとおりでした
  • 5:37 - 5:41
    もし注意が本当に機能して
    認識に作用するなら
  • 5:41 - 5:44
    それは増幅装置のような働き方であろう
  • 5:44 - 5:45
    つまり
  • 5:45 - 5:48
    私たちが顔に注意を向けると
  • 5:48 - 5:50
    顔はよりはっきり 目立って見え
  • 5:50 - 5:52
    見やすくなる というものでした
  • 5:52 - 5:56
    しかし私たちが風景に注意を向けると
    顔はほとんど認識できなくなります
  • 5:56 - 5:58
    これは風景の情報を処理しているからです
  • 5:59 - 6:00
    私たちが期待していたのは
  • 6:00 - 6:04
    顔検出の脳波成分であるN170を観察し
  • 6:04 - 6:06
    注意を風景に向けるか
    顔に向けるかによって
  • 6:06 - 6:11
    N170に何らかの変化があるか
    知ることでした
  • 6:11 - 6:13
    そして実際はこうなりました
  • 6:13 - 6:15
    被験者が顔に注意を向けると
  • 6:15 - 6:17
    N170は大きくなります
  • 6:17 - 6:21
    一方で風景に注意を向けると
    赤色で示すように 小さくなります
  • 6:21 - 6:24
    青色と赤色の動きの差は
  • 6:24 - 6:25
    とても明確です
  • 6:25 - 6:27
    ここから読み取れるのは
  • 6:27 - 6:29
    注意だけを変化させることで
  • 6:29 - 6:32
    同一の画像を見ていても
  • 6:32 - 6:34
    認識が変わるということです
  • 6:34 - 6:36
    そしてその変化はとても速く
  • 6:36 - 6:39
    実際に顔を見てから170ミリ秒以内です
  • 6:40 - 6:43
    続きの実験で どうすれば
    この効果を混乱させたり弱めたりできるか
  • 6:43 - 6:45
    すると どうなるかを
    知りたいと思いました
  • 6:46 - 6:50
    直感的には
    人々は極度のストレス下に置かれたり
  • 6:50 - 6:53
    不安を与えるようなネガティブな画像ー
  • 6:53 - 6:56
    例えばニュースで見るような
  • 6:56 - 6:59
    苦しみや暴力の画像を見せられて
    動揺させられたりすると
  • 6:59 - 7:01
    注意にも影響があるのではないかと
    考えていました
  • 7:01 - 7:03
    実際その通りの結果でした
  • 7:03 - 7:06
    実験中に 精神的な負荷のかかる
    画像を見せた場合
  • 7:06 - 7:10
    この注意による差が縮まり
    その力も弱まります
  • 7:11 - 7:13
    いくつかの我々の研究では
  • 7:13 - 7:14
    脳に対するストレスの影響が
  • 7:14 - 7:18
    とても良いのか 大した事ないのか
    悪いのかを見ようと考えました
  • 7:18 - 7:22
    でも もしストレスが
    気を散らすような外部の要素として
  • 7:22 - 7:23
    注意に大きな影響を与えるとして
  • 7:23 - 7:27
    外部からの邪魔を必要とせず
    自分の中で気が散っているとしたら?
  • 7:27 - 7:29
    これを知るため
  • 7:29 - 7:31
    新しい実験では
  • 7:31 - 7:34
    被験者自身が
    気が散った状態になる必要がありました
  • 7:34 - 7:36
    つまりある作業をしているときに
  • 7:36 - 7:40
    その作業と関係ないことを
    考えてもらいます
  • 7:41 - 7:45
    人の気を散らせるには
    退屈させればよいのです
  • 7:45 - 7:48
    会場のみなさんは
    気が散っていないと良いのですが
  • 7:48 - 7:50
    退屈させると
  • 7:50 - 7:54
    人々は喜んで
    別のことを考え始めます
  • 7:54 - 7:56
    そこで私たちは ある意味
  • 7:56 - 7:58
    世界で最も飽き飽きする実験を
    考案しました
  • 7:58 - 8:01
    被験者はスクリーンに投影される
    一連の顔を
  • 8:01 - 8:03
    次から次へと見ます
  • 8:03 - 8:05
    顔を見るたびに
    ボタンを押します
  • 8:05 - 8:06
    それが実験の内容です
  • 8:06 - 8:10
    ここでの仕掛けは
    顔の画像がときどき上下逆転することです
  • 8:10 - 8:11
    そしてそれはごくまれに起こります
  • 8:11 - 8:14
    そのときには
    ボタンを押さないよう指示されます
  • 8:15 - 8:18
    すぐに 被験者が
    気が散った状態になったと分かります
  • 8:18 - 8:21
    なぜなら顔が上下逆転した画像に対しても
    被験者はボタンを押すからです
  • 8:21 - 8:24
    上下逆転していることは
    容易にわかるにも拘らず です
  • 8:24 - 8:27
    続いて 人々の気が散ると
    何が起きるのかを調べました
  • 8:27 - 8:29
    その結果わかったのは
  • 8:29 - 8:31
    環境にある
    外的なストレスや
  • 8:31 - 8:34
    邪魔が入る場合と ほぼ同様に
  • 8:34 - 8:37
    気が散るといった
    内的に注意散漫な状態でも
  • 8:37 - 8:39
    注意による差は縮まるということです
  • 8:39 - 8:41
    注意の力が弱められるということです
  • 8:42 - 8:44
    これらの研究から何がわかるでしょうか?
  • 8:45 - 8:48
    まず 注意は我々の認識に影響するという点で
  • 8:48 - 8:50
    とても力強いと言えます
  • 8:50 - 8:54
    しかし 力強い一方
    もろく 影響を受けやすいことです
  • 8:54 - 8:58
    ストレスや気が散ることで
    その力は低減されます
  • 8:58 - 9:02
    しかしこれらはどれも 研究室内の
    制御された条件下で導かれた結論です
  • 9:02 - 9:03
    現実の世界ではどうでしょう?
  • 9:03 - 9:05
    日常生活ではどうでしょう?
  • 9:05 - 9:06
    いま現在 どうでしょう?
  • 9:07 - 9:09
    あなたの注意は
    今 どこに向けられていますか?
  • 9:09 - 9:10
    みなさんの注意をここに戻すため
  • 9:10 - 9:13
    私の発表の残り時間に
    みなさんの注意がどうなるか
  • 9:13 - 9:14
    予測したいと思います
  • 9:14 - 9:16
    準備はいいですか?
  • 9:16 - 9:17
    予測はこうです
  • 9:17 - 9:22
    このあと8分間のうち4分間は
    私の言うことに注意を向けません
  • 9:22 - 9:23
    (笑)
  • 9:23 - 9:25
    これは挑戦ですから
    ちゃんと注意して聞いていてください
  • 9:25 - 9:28
    なぜこんなことを言うかというと
  • 9:29 - 9:32
    みなさんは座ったままで
  • 9:32 - 9:35
    私が話す間
    私の方を見て下さっていますが
  • 9:36 - 9:40
    実際には 私たちが起きている時間の
    およそ半分は 気が散った状態であり
  • 9:40 - 9:43
    目の前のタスクに
    注意が向いていないことを示す文献が
  • 9:43 - 9:45
    次々と出てきています
  • 9:46 - 9:48
    これは私たちが
    個人の考えを持って行ってしまう
  • 9:48 - 9:50
    小旅行のようなもので
  • 9:51 - 9:53
    このように気が散ると
  • 9:53 - 9:54
    問題になる可能性があります
  • 9:54 - 9:57
    いまここで
    座っているのなら
  • 9:57 - 9:59
    重大な結末に到るとは
    考えられませんが
  • 9:59 - 10:02
    例えば軍隊のリーダーが
    軍の報告を4分間 聞き逃したら
  • 10:02 - 10:06
    あるいは裁判官が
    証言を4分間 聞き逃したら
  • 10:06 - 10:09
    または外科医や消防士が
    何分 逃しても
  • 10:09 - 10:11
    結果は重大になりかねません
  • 10:12 - 10:14
    とすると なぜ気が散るのか
    尋ねたくなります
  • 10:14 - 10:16
    なぜ頻繁に気が散るのでしょう?
  • 10:16 - 10:22
    一つの回答は 私たちの心が
    優れたタイムトラベラーだから
  • 10:22 - 10:24
    とても簡単に
    タイムトラベルができるというものです
  • 10:24 - 10:28
    もし心を音楽プレーヤーに例えると
    こうなります
  • 10:28 - 10:29
    私たちは心を巻き戻して過去に遡り
  • 10:29 - 10:32
    過ぎ去った出来事を思い出します
  • 10:33 - 10:36
    また 早送りして未来に向かい
    これから何がしたいかを考えられます
  • 10:37 - 10:42
    そしてこのように
    過去や未来へのタイムトラベルを
  • 10:42 - 10:43
    とても頻繁に行います
  • 10:43 - 10:45
    しばしば意識せずに
  • 10:45 - 10:47
    大抵の場合 気が付かずに
  • 10:47 - 10:49
    注意を払いたいにもかかわらず
    旅立ちます
  • 10:49 - 10:52
    思い出してみてください
    本を読もうとして
  • 10:52 - 10:55
    ページの最後まで読んで
    何が書かれていたか思い出せなかったことを
  • 10:55 - 10:56
    よくあることです
  • 10:57 - 11:03
    そしてこのとき 私たちの心は
    知らずのうちに遠くをさまよい
  • 11:03 - 11:04
    その結果
  • 11:05 - 11:06
    間違いを犯します
  • 11:06 - 11:08
    時々 重要な情報を逃します
  • 11:09 - 11:11
    そして判断するのが難しくなります
  • 11:12 - 11:16
    さらに問題なのは ストレスを感じるとき
  • 11:16 - 11:18
    圧倒されているとき
  • 11:19 - 11:22
    私たちは巻き戻した過去を
    思い出すだけではなく
  • 11:22 - 11:26
    すでに起きてしまった出来事に
    思いを馳せ 追体験し
  • 11:26 - 11:28
    あるいは後悔するのです
  • 11:29 - 11:31
    または ストレス下では
    心を早送りするかもしれません
  • 11:31 - 11:33
    建設的な計画を立てるためだけでなく
  • 11:34 - 11:36
    まだ起きていないこと
  • 11:36 - 11:38
    あるいは起きそうもないことを
  • 11:38 - 11:39
    悲観し 心配します
  • 11:39 - 11:43
    こう言うと 皆さんは
    「気が散るのはよくあるのだ」と
  • 11:43 - 11:45
    思っているかもしれません
  • 11:45 - 11:48
    しばしばこれは意識せずに起こります
  • 11:48 - 11:50
    そしてストレス下ではより悪いことに
  • 11:50 - 11:52
    もっとひどく
    頻繁に気が散ります
  • 11:52 - 11:55
    これに対処する方法は
    あるのでしょうか
  • 11:55 - 11:58
    嬉しいことに 存在します
  • 11:58 - 12:00
    私たちの研究から
    明らかになっているのは
  • 12:00 - 12:05
    ストレスを受けたり気が散ることの反対は
    マインドフルな心だ ということです
  • 12:05 - 12:08
    マインドフルネスは
    現在の自分の状況に意識的に
  • 12:08 - 12:11
    注意を払うことと関係があります
  • 12:12 - 12:15
    そして何が起きても
    感情で反応しないことです
  • 12:16 - 12:18
    それは正しい(プレイ)ボタンを押して
  • 12:18 - 12:21
    一瞬ごとに私たちの生活が
    展開するのを感じることです
  • 12:22 - 12:25
    マインドフルネスは概念ではなく
  • 12:25 - 12:27
    実践されるべきものです
  • 12:27 - 12:31
    良い変化を得るには
    日々マインドフルな状態を実現することです
  • 12:31 - 12:35
    私たちの研究の多くでも
  • 12:35 - 12:38
    被験者に 毎日一連の訓練をしてもらう
  • 12:38 - 12:39
    プログラムを提供しています
  • 12:39 - 12:43
    生活の中でマインドフルな状態を
    増やすためです
  • 12:44 - 12:47
    そして私たちと一緒に取り組んでいる
    多くのグループは
  • 12:47 - 12:51
    兵士や医療従事者といった
    高ストレスのグループですが
  • 12:51 - 12:56
    彼らにとって気が散ると
    本当に重大な結果を招きかねません
  • 12:57 - 13:00
    したがって私たちは
    訓練を最適化するために
  • 13:00 - 13:03
    簡単で 時間に制限されないよう配慮し
  • 13:03 - 13:05
    こういった人々に
    効果が得られるようにしました
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    また私たちは変化を観察するにあたり
  • 13:09 - 13:11
    彼らの日常生活のみならず
  • 13:11 - 13:14
    最もストレスの多い状況においても
    どうなるかを追跡しました
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    何故この試みをするかというと?
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    例えば期末試験の時期の学生にも
    利用してほしいですし
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    税申告で繁忙期の会計士や
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    配備される兵士や海兵隊員にも
    実践してほしいからです
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    なぜでしょうか?
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    このような状況で
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    ストレスや気が散ることにより
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    彼らの注意が
    最も影響されやすいからです
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    そして こういった状況においてこそ
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    彼らの注意を最大に高め
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    パフォーマンスを高めてほしいからです
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    私たちの研究では
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    彼らに 一連の
    注意に関するテストを受けてもらいます
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    ストレスの高い時期の始まりに
    彼らの注意を記録し
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    2か月後また記録することで
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    違いがあるかを見ようとします
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    マインドフルネスの訓練によって
    改善があったかどうか
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    ストレスの高い時期に
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    注意が途切れることを
    防ぐことができるか
  • 14:00 - 14:02
    そしてこれが結果です
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    ストレスの高い期間では
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    もし私たちが何もしなければ
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    実際に注意は弱まります
  • 14:07 - 14:11
    特にストレス期の終わりには
    悪化しています
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    しかしマインドフルネスの訓練を実施した場合
    これを予防することができます
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    訓練を実施すると
    高いストレス下でも
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    他のグループと同様 安定していました
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    そしてもっと素晴らしいことに
  • 14:22 - 14:24
    もし人々が訓練を継続して
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    例えば8週間続けて
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    毎日のマインドフルネスの訓練を
    完璧に実行すると
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    現在のありのままの自分であることを
    学ぶことができ
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    ストレスの高い中にあっても
    時と共に改善します
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    そしてこの最後の点に気づくことが
    実は重要なのです
  • 14:41 - 14:43
    なぜなら
    それによって
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    マインドフルネスの訓練が
    身体トレーニングに似ており
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    やらなければ効果がないと
    わかるからです
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    一方で
    マインドフルネスを実践すれば
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    やればやるほど
    効果があります
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    ここで
    ジェフ・デイヴィス大尉の話に戻ります
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    冒頭お話ししたように
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    彼の部下の海兵隊員が
    私たちが提供した
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    マインドフルネス訓練の
    最初の参加者でした
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    とても嬉しいことに
    まさにこのパターンを示しました
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    彼らがイラクに派兵される直前に
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    マインドフルネスの訓練を
    実施しました
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    帰還したとき デイヴィス大尉は
    こう言いました
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    いま感じていることは
    マインドフルネスの成果だ と
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    彼によると 前回と違い
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    今回の派兵から戻ってきたとき
    彼らの意識には 現実感があり
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    洞察力を持ち
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    前回ほど受け身ではありませんでした
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    そして時には
    ともに働く人同士 互いに
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    前回より
    もっと思いやりを持ちました
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    彼はいろんな言い方で
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    私たちの提供した
    マインドフルネスの訓練が
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    とても役に立ち
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    心的外傷後ストレス障害を
    予防したり
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    逆に心的外傷を受けたあとに
    成長できたと言いました
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    我々には大変説得力がありました
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    そのあとも
    デイヴィス大尉と私はー
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    ちなみにこれは10年ほど前の
    2008年だったのですがー
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    ずっと連絡を取り続けています
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    そして彼自身は
    マインドフルネスの実践を
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    毎日継続しました
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    彼は少佐に昇進し
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    そして海兵隊を退役しました
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    そのあと離婚して
    再婚し
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    子供ができ
    MBAを取りました
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    そしてこういった 人生における
    挑戦や転機 喜びを経験する間も
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    マインドフルネスの訓練を
    継続していたのです
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    運命の定めか 数か月前
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    デイヴィス大佐は46歳で
    広範囲の心臓梗塞に襲われました
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    そして彼は数週間前に
    私に連絡をくれました
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    彼は言いましたー
    「言いたいことがあるんです
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    私の医者は私の心臓を救いました
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    しかしマインドフルネスが
    私の命を救いました
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    救急車を呼ぼうという
    はっきりした心の状態があったから
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    病院に運ばれることができました」
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    はっきりとした心を持って
    恐怖と不安の中でも
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    その状態を保てたことが
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    彼によると
    マインドフルネスの成果でした
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    私は彼が無事であったことに
    ほっとするとともに
  • 17:08 - 17:13
    彼が自分の注意を変えられたことを知り
    本当に勇気づけられました
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    彼はかつて
    とてもひどいボスである注意システムを持ち
  • 17:17 - 17:20
    あやうく橋から転落するところでしたが
  • 17:20 - 17:23
    いま 彼のボスは素晴らしいリーダーとして
    彼を導き
  • 17:23 - 17:24
    彼の命を救いました
  • 17:25 - 17:29
    最後にみなさんに
    行動を呼びかけたいと思います
  • 17:29 - 17:30
    こちらです
  • 17:30 - 17:33
    あなたの注意に
    注意を向けてください
  • 17:34 - 17:35
    いいですか?
  • 17:35 - 17:37
    あなたの注意に
    注意を向けてください
  • 17:37 - 17:42
    さまよう心を鎮めるために
  • 17:42 - 17:46
    日々の健康維持の取り組みの
    一部としてマインドフルネスを行い
  • 17:46 - 17:49
    あなたの注意を
    人生における頼れるガイドにしてください
  • 17:50 - 17:51
    ありがとうございました
  • 17:51 - 17:55
    (拍手)
Title:
さまよう心を鎮めるには
Speaker:
アミシ・ジャー
Description:

アミシ・ジャーは、私たちがどのように注意を払うか、つまり、脳が常に受信している情報の流れから、重要なものを選び取るプロセスについて、研究しています。外部からの妨害(ストレスなど)と内部からの動揺(気が散ることなど)は、ともに私たちの注意力を弱める、とジャーは説明します。しかし簡単な方法で、注意力を増強させることが可能です。ジャーは、「あなたの注意に注意を向けなさい」と言っています。

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Video Language:
English
Team:
closed TED
Project:
TEDTalks
Duration:
18:08

Japanese subtitles

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