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「歴史の終わり」という錯覚

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    鉄道が地域を繋いで
    人々を運び始めた頃
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    多くの人は それが馬を置き換えは
    しないと思っていました
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    100年もせずに 人々はまた
    同じ予想を繰り返します—
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    自動車に
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    電話
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    ラジオ
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    テレビ
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    コンピューター
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    陳腐化させうるものが
    色々あるにもかかわらずです
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    そんなものが普及することはないと
    主張する専門家さえいました
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    もちろん 未来がどうなり
    どんな新発明が現れるのか
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    正確に予測することはできません
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    しかし私達は
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    現在の技術が
    未来をどう変えるかの予想も
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    よくし損なっています
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    最近の研究で 自分に関することでも
    同じ傾向があるのが分かりました
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    人は自分の将来の変化を
    うまく予想できないのです
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    3人の心理学者が 2013年の論文
    「歴史の終わりという錯覚」で
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    自分の変化に関する予想力の
    弱さについて論じています
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    この表題は 政治学者
    フランシス・フクヤマの
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    「自由民主主義が政治の最終形態である」
    という予想—
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    「歴史の終わり」からきていて
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    人はいつの時点でも
    自分を最終形態と見なしていることが
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    論文で浮き彫りにされています
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    彼らは18歳から68歳までの
    7千人を対象に調査し
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    そのうちの半数には
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    現在の性格
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    価値観
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    好みを
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    10年前はどうだったかと合わせて
    答えてもらいました
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    残りの半数には
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    現在の自分と
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    10年後の自分の予想を
    答えてもらいました
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    その答えを元に
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    それぞれの被験者が
    経験ないしは予想した
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    変化の度合いを計算し
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    それぞれの年齢層について
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    経験した変化と 予想する変化の
    大きさを比較しました
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    たとえば 18歳が予想する変化量と
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    28歳が経験した変化量とを
    比較するという具合です
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    すると どの年齢層でも
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    若い側が予想する変化は
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    年配側が経験した変化よりも
    ずっと小さかったのです
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    20歳の人は30歳になっても
    同じ食べ物が好きだろうと思っていますが
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    30歳の人では
    10年前とは好みが変わっています
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    30歳の人は40歳になっても
    同じ人と友達だと予想しますが
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    40歳の人は10年前の友達とは
    付き合いが途絶えています
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    40歳の人は自分の価値観は
    変わらないと予想しますが
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    50歳の人は
    考えを変えています
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    全体として年配の人は
    若い人より変化が少ないですが
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    自分の今後の変化を過小に
    予想している点は同様です
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    人生のどの時点でも
    「歴史の終わり」という錯覚があり
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    個人的変化は概ね過去のものと
    思う傾向があります
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    この考え方の結果として
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    現在の好みに基づいた
    将来の選択に
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    過剰投資する
    傾向が見られます
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    現在好きなミュージシャンを10年後に
    見るために払おうと思う金額は
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    10年前好きだったミュージシャンのために
    今払おうと思う金額より
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    平均で6割以上
    高いのです
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    コンサートに行くことの影響は
    大きくはありませんが
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    私達はもっと重大な
    事柄についても
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    同様の計算違いを
    しがちです
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    家の購入や
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    配偶者
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    仕事の選択などです
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    しかしながら 自分の将来の
    好みがどうなっているか
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    本当に予測できる方法は
    ありません
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    「歴史の終わり」という
    錯覚がなければ
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    長期的な計画を立てるのは
    難しいことでしょう
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    「歴史の終わり」という錯覚は
    個人の人生に当てはまるわけですが
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    より広い社会については
    どうでしょう?
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    今あるものが そのまま続くものと
    仮定しているのでしょうか?
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    そうであれば 世界は変わるものであり
    良くなることも多いのだと—
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    思い起こさせてくれるものが
    たくさんあるのは幸いなことです
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    歴史上の私達のいる時点は
    歴史の終着点ではないというのは
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    安心の元にも 心配の種にも
    なりえるものでしょう
Title:
「歴史の終わり」という錯覚
Speaker:
ベンス・ナナイ
Description:

私達は現在の技術が未来を変えるということをよく予想し損なってきました。最近、自分への見方にも同じ傾向があるのが分かりました。私達は自分の変化を予想できないのです。でも、今の自分がずっと続くと仮定することに、何か具合の悪いことはあるのでしょうか? ベンス・ナナイが、自分を最終形態と見なすことの帰結について騙ります。

講師:ベンス・ナナイ
監督:Stretch Films Inc.

このビデオの教材: https://ed.ted.com/lessons/the-end-of-history-illusion-bence-nanay

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Video Language:
English
Team:
closed TED
Project:
TED-Ed
Duration:
04:15

Japanese subtitles

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