「歴史の終わり」という錯覚
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0:07 - 0:11鉄道が地域を繋いで
人々を運び始めた頃 -
0:11 - 0:14多くの人は それが馬を置き換えは
しないと思っていました -
0:14 - 0:18100年もせずに 人々はまた
同じ予想を繰り返します— -
0:18 - 0:19自動車に
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0:19 - 0:20電話
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0:20 - 0:21ラジオ
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0:21 - 0:22テレビ
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0:22 - 0:23コンピューター
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0:23 - 0:25陳腐化させうるものが
色々あるにもかかわらずです -
0:25 - 0:29そんなものが普及することはないと
主張する専門家さえいました -
0:29 - 0:33もちろん 未来がどうなり
どんな新発明が現れるのか -
0:33 - 0:35正確に予測することはできません
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0:35 - 0:37しかし私達は
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0:37 - 0:40現在の技術が
未来をどう変えるかの予想も -
0:40 - 0:42よくし損なっています
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0:42 - 0:47最近の研究で 自分に関することでも
同じ傾向があるのが分かりました -
0:47 - 0:51人は自分の将来の変化を
うまく予想できないのです -
0:51 - 0:563人の心理学者が 2013年の論文
「歴史の終わりという錯覚」で -
0:56 - 1:00自分の変化に関する予想力の
弱さについて論じています -
1:00 - 1:04この表題は 政治学者
フランシス・フクヤマの -
1:04 - 1:07「自由民主主義が政治の最終形態である」
という予想— -
1:07 - 1:10「歴史の終わり」からきていて
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1:10 - 1:14人はいつの時点でも
自分を最終形態と見なしていることが -
1:14 - 1:16論文で浮き彫りにされています
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1:16 - 1:22彼らは18歳から68歳までの
7千人を対象に調査し -
1:22 - 1:25そのうちの半数には
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1:25 - 1:26現在の性格
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1:26 - 1:27価値観
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1:27 - 1:29好みを
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1:29 - 1:3310年前はどうだったかと合わせて
答えてもらいました -
1:33 - 1:35残りの半数には
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1:35 - 1:37現在の自分と
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1:37 - 1:4110年後の自分の予想を
答えてもらいました -
1:41 - 1:42その答えを元に
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1:42 - 1:46それぞれの被験者が
経験ないしは予想した -
1:46 - 1:48変化の度合いを計算し
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1:48 - 1:51それぞれの年齢層について
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1:51 - 1:54経験した変化と 予想する変化の
大きさを比較しました -
1:54 - 1:58たとえば 18歳が予想する変化量と
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1:58 - 2:0328歳が経験した変化量とを
比較するという具合です -
2:03 - 2:05すると どの年齢層でも
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2:05 - 2:08若い側が予想する変化は
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2:08 - 2:13年配側が経験した変化よりも
ずっと小さかったのです -
2:13 - 2:1720歳の人は30歳になっても
同じ食べ物が好きだろうと思っていますが -
2:17 - 2:2030歳の人では
10年前とは好みが変わっています -
2:20 - 2:2530歳の人は40歳になっても
同じ人と友達だと予想しますが -
2:25 - 2:2840歳の人は10年前の友達とは
付き合いが途絶えています -
2:28 - 2:3240歳の人は自分の価値観は
変わらないと予想しますが -
2:32 - 2:3550歳の人は
考えを変えています -
2:35 - 2:39全体として年配の人は
若い人より変化が少ないですが -
2:39 - 2:44自分の今後の変化を過小に
予想している点は同様です -
2:44 - 2:48人生のどの時点でも
「歴史の終わり」という錯覚があり -
2:48 - 2:53個人的変化は概ね過去のものと
思う傾向があります -
2:53 - 2:55この考え方の結果として
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2:55 - 2:58現在の好みに基づいた
将来の選択に -
2:58 - 3:01過剰投資する
傾向が見られます -
3:01 - 3:05現在好きなミュージシャンを10年後に
見るために払おうと思う金額は -
3:05 - 3:1010年前好きだったミュージシャンのために
今払おうと思う金額より -
3:10 - 3:12平均で6割以上
高いのです -
3:12 - 3:16コンサートに行くことの影響は
大きくはありませんが -
3:16 - 3:18私達はもっと重大な
事柄についても -
3:18 - 3:20同様の計算違いを
しがちです -
3:20 - 3:21家の購入や
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3:21 - 3:22配偶者
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3:22 - 3:24仕事の選択などです
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3:24 - 3:26しかしながら 自分の将来の
好みがどうなっているか -
3:26 - 3:29本当に予測できる方法は
ありません -
3:29 - 3:31「歴史の終わり」という
錯覚がなければ -
3:31 - 3:34長期的な計画を立てるのは
難しいことでしょう -
3:34 - 3:38「歴史の終わり」という錯覚は
個人の人生に当てはまるわけですが -
3:38 - 3:40より広い社会については
どうでしょう? -
3:40 - 3:45今あるものが そのまま続くものと
仮定しているのでしょうか? -
3:45 - 3:49そうであれば 世界は変わるものであり
良くなることも多いのだと— -
3:49 - 3:52思い起こさせてくれるものが
たくさんあるのは幸いなことです -
3:52 - 3:56歴史上の私達のいる時点は
歴史の終着点ではないというのは -
3:56 - 4:00安心の元にも 心配の種にも
なりえるものでしょう
- Title:
- 「歴史の終わり」という錯覚
- Speaker:
- ベンス・ナナイ
- Description:
-
私達は現在の技術が未来を変えるということをよく予想し損なってきました。最近、自分への見方にも同じ傾向があるのが分かりました。私達は自分の変化を予想できないのです。でも、今の自分がずっと続くと仮定することに、何か具合の悪いことはあるのでしょうか? ベンス・ナナイが、自分を最終形態と見なすことの帰結について騙ります。
講師:ベンス・ナナイ
監督:Stretch Films Inc.このビデオの教材: https://ed.ted.com/lessons/the-end-of-history-illusion-bence-nanay
- Video Language:
- English
- Team:
closed TED
- Project:
- TED-Ed
- Duration:
- 04:15
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Yasushi Aoki approved Japanese subtitles for The "End of History" Illusion | |
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Yasushi Aoki edited Japanese subtitles for The "End of History" Illusion | |
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Masako Kigami accepted Japanese subtitles for The "End of History" Illusion | |
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Masako Kigami edited Japanese subtitles for The "End of History" Illusion | |
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Yasushi Aoki edited Japanese subtitles for The "End of History" Illusion | |
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Yasushi Aoki edited Japanese subtitles for The "End of History" Illusion | |
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Yasushi Aoki edited Japanese subtitles for The "End of History" Illusion | |
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Yasushi Aoki edited Japanese subtitles for The "End of History" Illusion |