アイルランド最強の2人の戦士をめぐる神話 ― イーサルト・ギレスピー
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0:07 - 0:12アルスターの英雄クー・フーリンは
クーリーの浅瀬に立ち -
0:12 - 0:16いまや たった1人で
全軍隊を相手にするところでした― -
0:16 - 0:20それも1頭の雄牛のために
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0:20 - 0:24軍隊を率いていたのは
コノートの女王メイヴ -
0:24 - 0:28すさまじい力を持つ白い雄牛を
夫が所有していることに憤怒して -
0:28 - 0:32名高い アルスターの褐色の雄牛を
なんとしてでも我がものにしようと -
0:32 - 0:34遠征に乗り出したのです
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0:34 - 0:38アルスターの王は
この時 折り悪く決断を下し -
0:38 - 0:42妊娠中の女神マッハに命じ
無理やり戦車競争に参加させました -
0:42 - 0:48その報復に マッハは呪いをかけ
王とその軍隊全員に腹痛を― -
0:48 - 0:54陣痛に似た腹痛を 皆に与えたのです
クー・フーリンだけが無事でした -
0:54 - 0:57クー・フーリンは
アルスター最強の戦士ではありましたが -
0:57 - 1:02メイヴ女王の軍隊を一度に相手にすることは
できないと分かっていました -
1:02 - 1:05彼は一騎打ちという聖なる習わしを求め
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1:05 - 1:09侵入者と1人ずつ戦えるようにしました
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1:09 - 1:11ところが メイヴ女王の軍隊が
迫るにつれて -
1:11 - 1:16待ち構える大仕事よりも
あることが彼の心にかかっていました -
1:16 - 1:19何年も前のこと クー・フーリンは
スコットランドに出向き -
1:19 - 1:23名声轟かせる戦士スカアハのもとで
修行をしていました -
1:23 - 1:27そこで 彼はある若い戦士に出会いました
コノート出身のフェル・ディアドです -
1:27 - 1:322人は共に暮らし 共に修行に励み
やがて親友になりました -
1:32 - 1:35それぞれの故郷に帰ってみれば
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1:35 - 1:40クー・フーリンとフェル・ディアドは
敵対する陣営に属することとなりました -
1:40 - 1:44彼には分っていました フェル・ディアドが
メイヴ軍の一味として進軍を続けていて -
1:44 - 1:46自分が相手を倒し続ければ
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1:46 - 1:49いずれはフェル・ディアドに
出会うということを -
1:49 - 1:54来る日も来る日もクー・フーリンは
アルスターを1人で守り続けました -
1:54 - 1:58とった敵の首は
メイヴ女王の陣営に送ることもあれば -
1:58 - 2:01浅瀬の流れに
運ばれていくこともありました -
2:01 - 2:06時にはトランス状態に入り
何百もの兵を次々斬り伏せました -
2:06 - 2:10女王の姿が遠くに見えれば
毎回 石を投げつけました -
2:10 - 2:12命中することはありませんでしたが
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2:12 - 2:171回だけ 女王の肩にいたリスに当たり
はたき落としおおせました -
2:17 - 2:20コノートの陣営では
フェル・ディアドが身を潜めていました -
2:20 - 2:26親友を相手取って戦う羽目から逃れようと
あらゆる手を尽くしていたのです -
2:26 - 2:30しかし女王のほうでは
雄牛を早く手に入れたい思いが募り -
2:30 - 2:34クー・フーリンへの勝ち目が一番大きい戦士が
フェル・ディアドであることを知っていました -
2:34 - 2:37そこで彼をしきりに駆り立て
彼の名誉を問うて -
2:37 - 2:41戦わざるを得ないところまで
追い込みました -
2:41 - 2:462人は浅瀬で対決しました
力も技も互角の関係― -
2:46 - 2:49どんな武器を手にしても
拮抗状態でした -
2:49 - 2:543日目に入ると フェル・ディアドが
優勢になりつつありました -
2:54 - 2:57クー・フーリンは疲れきっていたのです
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2:57 - 3:01ところがクー・フーリンには
あと1枚 切り札が残されていました -
3:01 - 3:05彼らの師スカアハが
クー・フーリンにだけ伝授した秘伝の奥義です -
3:05 - 3:09彼女が教えたのは
「ゲイ・ボルグ」の召喚― -
3:09 - 3:16海底に横たわる海獣の骨から作られた
魔法の槍を召喚する技でした -
3:16 - 3:23クー・フーリンは槍を召喚し
フェル・ディアドを刺し殺し 彼も倒れました -
3:23 - 3:27その機会を捉えたメイヴ女王は
残りの軍隊もろともに -
3:27 - 3:29褐色の雄牛を捕まえようと
攻め入りました -
3:29 - 3:33その時ようやく アルスターの軍隊は
呪術による病気から回復しつつあり -
3:33 - 3:36女王の軍に殺到し 追撃しました
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3:36 - 3:40しかし時はすでに遅く
メイヴ女王は傷ひとつ負わず -
3:40 - 3:43褐色の雄牛を引きずって
国境を越えていました -
3:43 - 3:47帰還したメイヴ女王は
改めて戦いを挑みました -
3:47 - 3:52今度は彼女の褐色の雄牛と
夫の白い雄牛との対決です -
3:52 - 3:56雄牛2頭の力は伯仲
戦いは夜までもつれ込み -
3:56 - 4:00アイルランド全土にわたって
互いを引きずり合いました -
4:00 - 4:04ついに褐色の雄牛は白い雄牛を殺し
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4:04 - 4:08メイヴ女王はようやく満足を得ました
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4:08 - 4:11しかし褐色の雄牛にとって
勝利はなんの意味もありませんでした -
4:11 - 4:16疲れ 傷つき 絶望していました
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4:16 - 4:21ほどなくして彼も失意のうちに死に
後に残されたのは -
4:21 - 4:26メイヴの戦争のために 長い間
荒廃したままとなる地でした
- Title:
- アイルランド最強の2人の戦士をめぐる神話 ― イーサルト・ギレスピー
- Speaker:
- イーサルト・ギレスピー
- Description:
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アルスターの英雄クー・フーリンは、クーリーの浅瀬に立ち、1頭の雄牛のために、たった1人で全軍隊を相手にするところでした。軍隊を率いていたのはクナハトの女王メイヴ。すさまじい力を持つ白い雄牛を夫が所有していることに憤怒して、名高いアルスターの褐色の雄牛をなんとしてでも我がものにしようと、遠征に乗り出したのでした。アイルランドの神話「クーリーの牛争い(Táin Bò Cuailnge)」を、イーサルト・ギレスピーが語ります。
講師:イーサルト・ギレスピー、監督:Paper Panther
*このビデオの教材 : https://ed.ted.com/lessons/the-myth-of-ireland-s-two-greatest-warriors-iseult-gillespie - Video Language:
- English
- Team:
closed TED
- Project:
- TED-Ed
- Duration:
- 04:28
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Tomoyuki Suzuki accepted Japanese subtitles for The myth of Ireland's two greatest warriors | |
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